投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 02 日 18:00:02:
塩川財務相は、1万円台を回復した日経平均株価に関して、これで十分とは思っておらず、もっと株価の上昇を図るべきだとの認識を示した。ただ、目先の株価対策ではなく、貯蓄優遇から投資優遇への環境整備などを通じた証券市場活性化を講じていくと述べた。
衆院本会議で小泉議員(民主党)の質問に答えたもの。
経済悪化の原因は資産デフレにあるのではないかとの質問に対し、塩川財務相は、「要件であることは承知している」としたうえで、「このためにも、資産価格の下落を抑制しなければならない。都市中心の小型の公共事業を積極的に展開し、対策を講じたい」と述べ、都市再生への取り組みを指摘した。
株価下落に関しては、小泉政権発足の4月26日から11月1日時点までに、時価総額で、約80兆円の資産が減少したことを明らかにした。
そのうえで、塩川財務相は、日経平均株価が1万円台を回復したが、「これで十分とは思っておらず、もっと株価の上昇を図るべきだ」と述べた。
ただ、その対応については、「目先の株価対策ではない」とし、(1)貯蓄優遇から投資優遇への転換、(2)企業自身の体質強化と配当性向を高めること、(3)市場の公平性・透明性を高め、安心して投資できる環境を作ること、(4)改正法案にも盛り込まれた税制面からの対応−−などを挙げ、「大衆参加しやすくする方法に取り組み、これにより株式市場活性化を図りたい」と述べた。
また、塩川財務相は、「市場活性化のためには、企業の体質強化と配当性向に魅力をもたせるような方法について、一層の財政面からの努力もしたい」と述べた。
国債の格下げ問題について、塩川財務相は、「非常に神経をもっている(払っている)。国債の格付けは国の経済力に対する外国の評価と結びついており、国力の象徴と言える」と述べた。
そのうえで、同相は、「われわれとしては、国債の安定消化に重点を置いている。消化は順調に進み、この消化の結果として、流動性資金確保が出来ていることは経済の短期的な道付けとして成功している。特に、私が重点を置くのは、為替レートの安定的推移に十分注意している」と述べ、こうした国の政策の方針や国債の状況などについて理解を得られるよう努力していると語った。