投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 01 日 20:56:43:
米国のマイナス成長は予想の範囲内とは言え、わが国先行き景気及び銀行の不良債権問題に解決の見通しが立ち難い。このような先行き不透明な投資環境では、腰の入った中長期のスタンスのお金は株式市場に入ってこないのであろう。
銀行は、今後も粛々と持ち合い解消を進める。投資家は、それを十分心得ているからそのような売り圧力の強い銘柄に手出しはしない。よって、そのような圧力のないIPO銘柄や新興市場に資金シフトを急ぐ。小資本の発行済み株式総数の少ない小型株に一気に資金流入するから、株価は面白いように火柱が上がる。当面は、そのようなゲリラ戦でしか買いから入れない投資家は儲かり難い投資環境が続きそうだ。
当然、どこかで梯子を外され高値掴みして泣く投資家も出ようが、市場はいくところまで行くのであろう。
わが国当局の無為無策により、当面全体市場は期待薄だろう。10月相場で年金資金が流入し、市場の自律性を奪ってしまったことから、なおさら性質が悪いと考えておきたい。マイナス成長甘受、緊縮財政。わが国金融システムが時間の経過とともに蝕まれていくことになりそうだ。その先にあるものは?何らかの象徴的な経済事象が起こり、相場が大底を入れると考えておきたい。それまでは、いかに資産を減らさず生き残るかに全力を尽くすのが賢明であろう。その時がくれば、思い切って株に資金を投入できるように。
<マザーズ>
米ナスダック高を受け、マザーズ市場は買い優勢となった。業績予想を上方修正したスカパーは、大幅反発となっている。合理化策に加え、自社で取得した番組のサブライセンス収入が増加したことから、中間期および通期の赤字は従来予想を下回る見通し。モルガンの強気レポートも追い風となったようだ。また、HSBCが買い推奨レポートを出したアルチザは、ストップ高まで買われた。Jストリームは比例配分となり、7日連続してのストップ高となっている。昨日上場したCSIは、IPO人気に乗ってストップ高となった。一方、サイバーMは、今年8月24日の上場来安値を更新している。
<ナスダックJ>
ナスダックJ市場はJASDAQ市場の流れが波及、直近IPO銘柄が揃って大幅高となっている。売買代金は、昨日の約2.5倍に膨れた。CSロジテック、ゼンテック、オープンインタ、Eストア、IMJ、フューチャーVCがストップ高となったほか、ビジトラ、プレステージ、CSKコムも大幅高となっている。昨日上場したEシステムは、気配値を公募価格の18万6000円から99万6000円に切り上げており、本日も商いが成立していない。
そのほかでは、本日から売買単位が引き下げられたウェザーNがストップ高となった。
一方、中間決算を発表したドリテクはストップ安売り気配となり、取引が成立していない。IT関連企業の設備投資抑制や、ネット広告収入の落ち込みが響き、8月中間期の赤字幅が拡大している。また、これまで開示していなかった通期の業績予想を発表
しており、今2月期も赤字となる見通し。四季報では黒字化が予想されていたため、失望売りにつながっているようだ。
[株式会社 フィスコ]