投稿者 sanetomi 日時 2001 年 9 月 21 日 23:09:08:
ダイエー:ムーディーズがデフォルト可能性指摘、R&Iも格下方向(4)
(見出しを変更したうえで、第7段落以下を追加します)
東京 9月21日(ブルームバーグ):格付け会社のムーディーズは21日、小売大手で経営再建中のダイエーの長期債格付けを、B2からCaa1に引き下げたと発表した。格付け見通しはネガティブとしている。格付投資情報センター(R&I)も、格下げ方向でレーティング・モニターに指定すると発表した。ムーディーズは、同社に対する金融支援が困難な状況であることを引き下げの理由とし、R&Iは21日に同社が業績下方修正したことを格付けのうえで懸念している。
ムーディーズは債務不履行の可能性指摘
ムーディーズによると、「Caa」の定義は、「安全性が低いと判断された債券に対する格付け。債務不履行に陥っているか、あるいは、元利払いを困難にする要素が認められる」としている。引き下げの対象は総額600億円の長期債。
ムーディーズは、ダイエー債の格付け引き下げは、大手小売業マイカルの経営破たんの後、多額の負債に依存している企業に対する金融機関の支援が弱まる可能性あることを反映している。
ダイエーは、リストラ計画「フェニックスプラン」を実行中だが、同社の収益回復は予定より遅れており21日、今期の業績見通しを下方修正した。同社のメーンバンクである東海銀行、三和銀行、三井住友銀行、富士銀行は、ダイエーのリストラ計画で、多額の財務支援を行うことでサポートしてきた。
しかし、ムーディーズは、「業績回復が遅れるなかで、日本の金融機関の行動が予測しにくくなったことを懸念している」とし、ダイエーに対する金融支援が難しい環境であると指摘している。
ダイエーは、ムーディーズの格下げを受け、「主力銀行のコミットメントライン(協調融資枠)5000億円については、1500億円前後の余裕があり、キャッシュフローにはまったく問題がない。当社の現況について正当な評価をいただけていない」とのコメントを発表した。
R&Iは、業績下方修正を懸念
ダイエーは21日、2002年2月期の業績見通しを下方修正すると発表した。小売り業界を取り巻く環境が厳しいなかで、既存店やグループ各社の売り上げが振るわなかったことが主因で、連結の経常利益は2001年8月中間期で10億円と期初予想を40億円下回ったほか、2002年2月期の連結の経常利益は80億円と期初予想の160億円の半分になる見通しだ。
R&Iは、「ダイエー再建のためには本業の収益力向上が必要不可欠であると考えており、計画通りの経常利益を達成できなかったことは、評価のうえで大きなマイナス要因だ」と指摘した。格付けの見直しにあたっては、業績修正の要因、今後の業績動向のほか、金融機関の対応についても精査し、新たな格付けを発表する方針としている。
●ムーディーズが今回、B2からCaa1に格下げの対象となった無担保長期 債は以下の通り。
発行額100億円、利率2.1%、償還期日2001年11月21日の第16回国内普通社債
発行額200億円、利率6.4%、償還期日2002年2月27日のユーロ円建普通社債
発行額100億円、利率2.4%、償還期日2002年11月21日の第15回国内普通社債
発行額100億円、利率2.65%、償還期日2003年11月21日の第14回国内普通社債
発行額100億円、利率2.8%、償還期日2004年11月19日の第13回国内普通社債
●R&Iが格下げ方向でレーティング・モニターに指定した債務
長期優先債務 (BB−)
第16回無担保社債など5銘柄 (B+)
国内コマーシャルペーパー (a−3)
ダイエーの21日の株価終値は、前日比20円(12.20%)安の144円。