投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 01 日 11:49:49:
米国の7-9月期のGDPが前期比年率0.4%減と発表された。1993年1-3月期(マイナス0.1%)以来8年半ぶりのマイナス成長であったが、同時多発テロによる影響を覚悟していた市場には予想の範囲内であり、株式市場への影響は限定的であった。また、米財務省は30年国債の発行を停止し長期金利の低め誘導を模索しているようだ。心憎い市場へ配慮。長期金利の低下、金利裁定の観点からの株式の相対的な魅力の増加を意図したものと大いに評価されるだろう。米当局とわが国の差は、このようなところに随所に現れており、その意味では、日本の多くの買いからしか市場に入れない投資家は不幸と言えそうだ。
本日付け日経新聞朝刊の一面で特集された「袋小路の不良債権処理」と題された特集記事。同じく日経金融新聞の「スクランブル、銀行に潜む生保リスク」。これらの記事を読めば読むほど、先行きに対して警戒感を強めざるを得ない。勝ち組み生保の日本生命に金融庁が業務改善命令を出す状況は、当局が生保業界全体の地盤沈下に警戒し、何かを隠してその火消しに躍起になっているとしか思えないと現在の状況を疑い深く見つめておきたい。
現在の株式市場の水準、銀行株の株価水準、そして、巨額債務にあえぐ企業の株価水準が、果たして、市場の行き過ぎた悲観なのか、それとも、隠された様々などろどろした部分までが正しく反映されたものなのか、早晩、結論が出ると期待しておきたい。膿を出し切れば傷の治りは速い。市場は、その膿出しがいつ実行されるかを注意深く見守っていることであろう。
このような投資環境では、腰の入った本格的な市場へ資金流入を期待するのが無理だ。当面は、IPO銘柄中心に新興市場での個別人気株フィーバー、低位の仕手系材料株相場が、金融相場モドキの相場がゲリラ的に展開されるのだろう。ただし、全体相場に関しては、米同時多発テロ以上の恐怖感が、投資家を覆う状況も頭の片隅に想定した上で、運用戦略を練る。そこまで慎重なスタンスで臨むべき投資環境と考える。慎重に、慎重に。それが、南米アルゼンチン発なのか、中東発なのか、それとも、わが国金融システム発なのか。恐らく、わが国金融システムがそのトリガーを引くことになると現段階では考えておきたい。