モノづくりの国 空洞化〜電機リストラ、中小を直撃〔東京新聞〕

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 31 日 11:12:30:

■国際競争厳しく 拠点次々海外へ

九月の失業率が過去最悪の5・3%にはね上がった。米国のIT(情報技術)不況に九月十一日発生した米中枢同時テロが加わり、自動車と並ぶ基幹産業の電機業界が総計約五万人もの人員削減に踏み切ったことが響いたからだ。だが、雇用面で本格的な影響が広がるのはむしろこれからとの見方がある。中国などアジア諸国とのし烈なコスト競争にさらされ、製造業が生産拠点の閉鎖や海外移転を進めており、国内雇用に対する危機感は一段と強まってきた。
(経済部・丸山秀人、松井学)

東京・兜町の東京証券取引所では三十日、今年夏から秋にかけて大量の人員削減計画を発表した日立製作所、松下電器産業など電機大手の中間決算発表が相次いだ。
「責任は感じる。ただ、長い目で見ると企業が生き延びないと新たな雇用は創造できない」
日立の八木良樹副社長は、決算発表で経営責任について質問を受け、長い沈黙の後、苦しげに答えた。同社は国内外のグループ全体の人員削減計画を当初の一万四千七百人から二度にわたる見直しで、「一万七千−八千人程度」へ引き上げた。
主要電機メーカー九社が本年度中に踏み切る人員削減は九万人規模で、国内だけでも約五万人。失業率が前月比で0・3ポイント増と約三十五年ぶりの大幅増加となる最大の原因だった。
主要メーカーのリストラは、ピラミッド状に広がる取引先中小企業の雇用悪化にもつながる。東京都大田区の半導体関連装置メーカー社長(57)は大企業の姿勢を痛烈に批判した。
「国を捨てて海外に出てしまう大企業はもう頼りにできない。リストラも、みんなで渡れば怖くないくらいのことで、痛みなど感じてないんじゃないか」
電機などの製造業が中国、韓国などアジア勢の台頭で、厳しい価格競争を強いられている。中国の人件費は「日本の二十分の一」(電機大手)。製造業が国内で生産を続けるのは困難なのも現実だ。
だが、民間シンクタンクの日本総研は、このままアジア製品の輸入の勢いが続けば、製造業部門で失職する人の数は「二〇〇五年までに三十三万人」と試算する。失業率が5%台後半から6%以上に跳ね上がりかねない水準だ。

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