投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 30 日 21:17:19:
日銀の中原眞審議委員は、現段階でインフレターゲット導入には反対だと述べた。
参議院財政金融委員会において、大塚委員(民主)の質問に答えたもの。
中原眞日銀審議委員は、インフレ・ターゲットについて、「現段階では導入は適当でない。最近のデフレ状況、物価低落要因は様々であり、需要不足ということもあるが、構造的問題もある。また、事実上、ゼロ金利政策を続けており、金融政策だけでインフレ目標を設定して達成することは難しい」と語った。
そのうえで、中原眞審議委員は、一審議委員としての意見であり、日銀として組織的に検討しているわけではない、としたうえで、「中長期的に安定した物価水準というものを、何とか数字のレンジで示せれば、透明性、説明力が増すのではないか、との思いがある」と述べた。中原眞委員は、「欧州中銀は、中期的に望ましい物価の安定の状態を数値で示すということで、CPI(消費者物価指数)で2%以下という考え方を示している」ことを挙げた。
中原眞委員は、こうした物価参照値について、「インフレ・ターゲッティグの議論とは独立したものとして、政策のフレームワークもしくはガバナンスとして考えられないか、ということである。ただ、実際にすぐ実施できるかどうかということに関しては、物価そのものの考え方や、水準にもいろいろな議論がある。導入には相当慎重な検討が必要である、と思っている」と語った。