投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 29 日 23:54:19:
何を今更と言われそうだが、貿易黒字の減り方が目立ち始めた。今年の上半期(4〜9月)で前期比43%減だ。粗っぽく言えば半分近くになってしまった。
テロは9月だから影響は一部分だが、フルにかかってくる10月以降クリスマス商戦を含んで数字を予想するだけでおそろしい。
もちろん日本だけが1000億ドル内外の貿易黒字を永遠に続けられるわけがない。「××は永遠です」というセリフは誰かに任せて(あの方は引退したよ)いつか収縮期に入る備えをすべきなのだが、それにしても落ち込み方が劇的である。
貿易黒字は輸出マイナス輸入である。黒字が減るのは輸出が減るか、輸入が増えるか、そのいずれもが同時発生するかだが、最後のではなさそうだ。輸入増加は国内の消費が好調な時おこる現象で、85年のプラザ会議で日本に求められたのは、このパターンだったのがカン違いして(またはふりをして)資産インフレを起こした。バブルとも言いますが。もちろんこれではない。
残るは輸出減、特に対米輸出の急減である。ついでに日本以外のアジア諸国も深刻な貿易黒字減だから、玉突きみたいにそれらの国々に対する日本の資本財輸出も打撃をこうむった。
小泉内閣の構造改革の中には輸出オリエンテッドの日本産業の角度を少し直してはという発想はないようだが、それは中長期のテーマだ。今は景気、企業業績へのショックを考えなくては。
この数年、GDPがなんとか1、2%でも水面上にあったのは(1)財政の大盤ぶるまい(2)IT関連の設備投資(3)対米輸出――が支えてきた。(1)(2)は論外、そして(3)も消える。
となると、平均株価が1万円台を保っているのは。織り込み済みなのかね。 (三連星)
[毎日新聞10月29日] ( 2001-10-29-21:25 )