投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 29 日 17:51:54:
生保が破綻した場合に契約者を守る『生命保険契約者保護機構』の資金が枯渇している――。
銀行が破綻しても今のところ預金は全額保護されるが、生保の場合、契約者は保険金をカットされる。それも保護機構の資金で損失をカバーするからで、資金がなければ契約者の保険金がほとんど戻らない可能性すらある。
そこで、金融庁は水面下で生保各社に機構への追加拠出を要請しているが、一社も応じようとはしていない。
生保各社が保護機構への追加拠出を渋っているのも、競争相手の破綻を早め、損失補填=契約者の負担軽減に一円も出したくないという思惑があることは疑いない。
それだけではない
企業の中間決算をひかえた9月下旬、兜町では有力生保の2000億円ものクロス取引が話題になった。
これは、投資家が保有する株をいったん売り、同じ値段で買い戻す取引を指す。安く買った株を高値で売って、含み益を出すための決算対策の方法だ。しかし、今年度から新会計基準が導入され、保有株は時価で評価しなければならなくなったため、行なう必要はないはずだ。日本公認会計士協会も原則禁止を決めている。
何のためのクロス取引だったのか。当の有力生保幹部は、生保の経営健全度の基準となるソルベンシー・マージン比率を上げるためのものだと打ち明けた。
「9月末の中間報告前に2000億円分の株を売って、10月中旬に買い戻した。決算の基準日に株を減らせば、それだけソルベンシー・マージン比率を高くできる」
ごまかし、見せかけの経営体力アップでは、早晩、馬脚を現わすことは間違いない。それが重大な危機を招くことを彼らは考えすらしない。生き残るためには何をしてもいいという免罪符を、一体、誰から与えられたのか。契約者は何一つ正確な情報を得られないまま≪死の代償≫すら奪われようとしているのだ。
小泉首相や竹中平蔵経済財政相が金融改革を名分に銀行や生保にやりたい放題させているだけでは、「不良債権を2〜3年で処理する」「日本発の世界恐慌は起こさない」という対米国際公約は画餅に帰す。日本の経済再建が世界経済及び対テロ戦争を支える最大の貢献なのに、そこが崩れてしまっては、いくら対テロ新法をつくって自衛隊を派遣したところで何の評価も得られない。