投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 29 日 16:38:00:
塩川財務相は、このまま国債の発行を続ければ、国際的に大変な問題に発展する可能性がある、との見解を示した。
貨幣大試験視察後の午餐会の挨拶で述べたもの。
塩川財務相は、厳しい経済情勢への対応が不十分との声があることに対し、「このまま国債の発行を続けることは、国際的に大変な問題に発展しそうだというのも事実だ」と述べ、新規国債発行を30兆円以下に抑制する方針の背景を指摘した。
また、経済情勢については、「4−6月期GDP成長率がマイナスとなり、失業率が高水準で推移するなど、厳しい状況にある。また、先行きについては、米国における同時多発テロ事件の世界経済への影響など、懸念が深まっている」と述べた。
そのうえで、塩川財務相は、「このような状況を乗り切るためには、状況の変化に細心の注意を払いながらも、我が国経済の基本的な成長力を高めるよう構造改革を積極的に進めていく必要がある」と述べた。
今年度補正予算編成については、「来月中旬までには(補正予算案を)国会に提出したい」とし、編成に当たっては、従来型の公共事業の追加ではなく、雇用対策に重点を置くほか、構造改革に直結しかつ実施の緊急性が高い施策に絞り込んだと述べた。
その財源については、「安易な国債増発に頼るべきではない」とし、「私の信念としては、臨機応変の対応を行いつつ、財政の基本である”入るを量りて出ずるを制す”という精神を堅持したいと考えており、平成14年度(2002年度)における国債発行額30兆円以下の方針のもと取り組んでいく」と述べた。
来年度予算編成についても、「財政面における抜本的構造改革の第一歩として、国債発行額を30兆円以下に抑えることを目標とするとともに、5兆円を削って重点分野に2兆円を再配分するとの方針のもと、歳出の思い切った見直しと重点的な配分に取り組む」と述べた。