投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 27 日 09:43:21:
日本の商社などがロシア・サハリン島北東部沖で進めていた石油・天然ガス開発事
業で、商業化の見通しが立ち、この事業で生産される原油のほぼ全量を日本に供給
できる見通しとなったことが26日、明らかになった。供給量は日量25万バレルと、日
本が中東などから輸入している総量の約6%に達する模様で、ロシアはインドネシアや
オマーンを抜き第6位の輸入相手国となる。
商業生産の開始は2005年12月になる予定だ。これまで、日本は原油の輸入の大
半を中東に依存してきたが、原油の安定供給に向けた日本のエネルギー戦略の加速
化につながる。
この事業は「サハリン1」プロジェクトと呼ばれ、伊藤忠商事や丸紅、石油資源開発な
どで構成する企業連合「サハリン石油ガス開発」と米系メジャー「エクソンモービル」な
どが実施している。
今回、商業化の見通しが立ったのは、海底油田・チャイウォ鉱区で、昨年秋に石油と
天然ガスが埋蔵されていることを確認。さらに調査した結果、石油の埋蔵量は23億バ
レルに達することが分かった。日量25万バレルは、日本の海外での自主開発油田の
うち、最大のアラブ首長国連邦内の油田(21万バレル)を上回る。企業連合は来月1
日、ロシア政府とサハリン州政府に商業化宣言を行い、今後20年間の権益を獲得す
る。その上で、2002年10月までに、開発計画を策定、生産施設の建設に乗り出す。
油質は、硫黄分が少なく世界の既存の油田のものに比べて最良の水準にあり、日
本などへの輸送は、砕氷船やロシア国内のパイプラインを使って運搬する予定だ。経
済産業省によると、そのほぼ全量が日本に船で持ち込まれる方向で、企業連合内の
協議が進んでいる。ただ、原油の輸出国から輸入国に転じた中国をはじめ韓国、台湾
なども輸入を希望しており、今後、日本主導で輸入先についての調整が進む可能性が
ある。
サハリン沖の石油開発については、72年、当時のソ連が日本などに対し開発を提
案、それを受けて日本側は74年に石油公団などが出資した「サハリン石油開発協力」
を設立し、75年にソ連政府と基本契約を締結した。さらに、95年にはエクソンのほか
ロシア企業二社も参加して企業連合を結成した。96年からチャイウォ鉱区での試掘許
可を5年間の期限付きでロシア政府から得て、開発に乗り出し、権利行使の期限は年
内までとなっていた。
(10月27日03:01)