投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 26 日 16:19:15:
今年前半には大幅黒字が予想されていた米国の財政見通しは、景気減速に同時多発テロの打撃が加わったため、下方修正が確実となった。米上院予算委員会のコンラッド委員長(民主党、ノースダコタ州選出)は25日、2002会計年度(2001年10月―2002年9月)の財政が、赤字に転じる恐れもあるとの見方を示した。
コンラッド議員は「景気後退の観測が強まっているところへ、テロ攻撃の被害が重なった」と語り、米財政を襲う「二重の打撃」を強調した。
同議員が示した議会予算局(CBO)の試算によると、最近まで1760億ドルと予測されていた2002年度の財政黒字は、景気減速による税収減などの影響から、500億ドル以下にとどまる見通し。しかもこの数字には、航空関係の警備強化や、テロ攻撃の犠牲者に対する補償、景気刺激策、国防関連など、今後新たに加わると見られる支出が算入されていない。テロ事件に伴うこれらの支出は計500億ドルを優に超える計算で、その結果、米財政は赤字に転じる可能性が高いという。
コンラッド議員は、メディケア(高齢者向け医療保険)、公的年金部門の黒字もほぼ帳消しになると説明。その上で、「われわれは経済強化と国家防衛のために、必要なことをやっていくしかない」と語り、赤字転落もやむを得ないとの考えを示した。