投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 26 日 21:18:38:
中央三井信託銀行は26日、来年2月1日付で、全額出資子会社のさくら信託銀行と共同で、持株会社「三井トラスト・ホールディングス(HD)」の設立などの事業再編計画を発表した。財務基盤を強化するため、総額で700億円の資金も新たに調達する。
事業再編はまず、三井住友銀行から今年6月末に譲渡を受けたさくら信託とで来年2月にHDを設立。その後、3月をめどに個人向け信託・銀行部門の中央三井と企業向け信託の専門銀行などに再編する。
再・再編への第1ステップ-三井各社に増資要請
資金の調達手法は、HD設立に伴い、三井グループなど100社に増資を要請。さらに、企業向け専門信託銀の一部株式を売却するというもので、総額で 600−700億円程度になるという。また、9月末で125店舗の国内拠点を2003年3月末までに73店舗に減らすなどの追加リストラも実施する。
中央三井の古沢煕一郎社長は持株会社設立の理由について「顧客から特に企業向けの信託部門を組織的にも分割して強化して欲しいとの要望があった」と強調。「三井住友グループの再編・統合に向けての第一のステップで、そのためにまず、自らが基盤を整備する必要があると判断した」と述べた。
730億円を減損処理、不良債権280億円上積み
一方、同時に発表した9月中間期の業績予想は、不良債権処理や保有株下落の影響で、連結純損益が360億円の赤字(従来予想は70億円の黒字)に転落する見通し。株式などで730億円を減損処理した。その後の有価証券の含み損は3400億円。また、不良債権の処理額は630億円で、当初計画に280億円上積みした。
9月末の剰余金は約830億円で、含み損の6割の2000億円を差し引く会計処理で配当原資はマイナス1200億円程度になるという。このため、同行はすでに中間配当を見送り、期末に一本化する方針を表明している。
「配当は念頭にない」―古沢社長
持株会社設立で、法定準備金取り崩しによる配当が容易になるが、古沢社長は「配当は念頭にない」とし、信託部門強化などのビジネスモデル実現が目的との立場を強調。期末配当の実施の有無や方向性については明言を避けた。
BIS(国際決済銀行基準)自己資本比率は9%程度だが、増資や保有株の売却などを通じて1%上昇できるとみている。中央三井の株価終値は前日比4円(2.41%)高の170円。
東京 平野 和 Kazu Hirano JK