投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 25 日 16:49:06:
塩川財務相は、構造改革か景気対策かの議論に対し、財政構造改革によって経済構造を改革する時期にきているとの認識をあらためて示した。
参院財政金融委員会で、峰崎委員(民主党)が、「マイナス成長から脱却するためには、政府支出拡大も意味があるとの議論がある。マイナス成長になっても、新規国債発行枠30兆円を守るのか。財政政策を中心に経済を引っ張るという考えを放棄したのか」と質したのに答えたもの。
これに対して塩川財務相は、「構造改革が先か景気対策が優先かとの質問だが、”失われた10年”に進められたことは、転換期の底固めの点で十分な効果があった。しかし、それをいつまでも続けても、創造的な経済の発展はないと思っており、構造改革を先行すべきだと考える」と述べた。
そのうえで、塩川財務相は、「景気対策を優先するか構造改革を優先するかは一義的に考えるべきではない。あいまって、相協力して進めるべき問題だ」と述べた。
さらに、同相は、「予算や経済政策の本質は政治が決める問題だ。統計で判断するものではない。統計の見方に基づいて政治的に判断する問題だ。政治的に、財政の構造改革によって、経済の構造を改革し得る時期に来ている」と述べ、財政構造改革の必要性を強調した。
一方、竹中経済財政担当相はこの問題について、「中長期的な経済の動向を決めるのは、生産性、いわば供給力だ。いま、供給サイドからみて、潜在成長率が構造的な問題で低いところにとどまっている可能性があり、これを引き上げない限り、中期的な経済の発展はない」と述べた。
そのうえで、財政の役割について、「財政は、今でも短期的には(経済を)引き上げることが出来る。金利という微妙な問題があるが、経済がスパイラル的な危機的状況にあれば、財政はそれなりに役割を果たさなければならない。しかし、中期的に成長を高めるには限界がある」と述べた。