投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 24 日 16:47:35:
手詰まり状態にある相場にしびれを切らしたかのように仕手系銘柄がにぎわってきた。本当に仕手筋が参戦している銘柄はわずかだが、一時に比べ数こそ減ったものの仕手筋はなくならないのも事実とみるべきであろう。
●弁護士が法的アドバイスも?
ある有力な仕手グループは、バックに規模の大きな法律事務所がつき、弁護士や公認会計士からアドバイスを受けているといわれる。当局が目を付けているフシもあるが「取引内容は灰色であっても黒ではないため、手を出せないのではないか」(地場証券役員)と推測されている。
また、ある仕手グループは、海外の証券会社を迂(う)回して大手証券に注文を出していた。兜町筋によると、この大手証券に以前、当局から照会があったが、発注元の海外証券会社が守秘義務を盾に口を閉ざし続けたため、結局、当局は尻尾をつかめなかった。証券市場に詳しい弁護士は「数人で売り買いを繰り返し、活況を演出する仮装売買が発覚しなければ摘発できないのでは」と指摘する。
ただ、証券会社は仕手筋ばかりでなく、問題になりそうな客との取引には消極的になっている。仕手株とは別の件で当局の処分を受けた証券会社の支店長経験者は「投資の目的を聞いたり、店内の審査が必要だといって、“特殊”と思われるお客さまに嫌われる」よう務めていることさえある。多くの場合「お前らは客を選ぶのか」と文句を言い、2度と姿を現さないという。
●手付かず状態のネット証券
既存の証券会社を通じた対面取引が難しくなったため、一部仕手筋は「匿名性の高いインターネット証券に流れた」(投資顧問業者)との声も聞こえてくる。あるネット証券は信用取引口座を開く際の電話による口頭審査もかなり甘く、「仮名、借名、地場出し・地場受け(株取引に社内規制のある証券マンがこっそり他社に注文を出し、証券会社が注文を受けること)の温床になっている」(同)ようだ。ほとんど取引のない銘柄に大量の買いを入れ、売り注文を全部さらっていくこともネット証券ではノーチェックでできるケースが多いといわれる。
これまで仕手株絡みでネット証券本体が処分されたことはない。現時点ではネット証券まで手が回らないといわれ、当面は仕手筋の暗躍も有り得るといえそうだ。
(半沢 昭悟)