投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 23 日 11:28:32:
貿易黒字の減少が続いている。財務省が22日発表した貿易統計によると、今年度上半期は前年同期に比べ43%の大幅減となった。世界経済の同時減速で輸出が伸び悩む一方で、中国をはじめとするアジアの国・地域からの輸入が構造的に増えているためで、専門家の間では今後も貿易黒字の減少が続くという見方が強まっている。このままだと、経済の成長力を弱めるほか雇用や金融市場にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
貿易黒字が減少している要因は大きく2つある。1つが景気変動による循環的要因だ。情報技術(IT)関連の調整に見舞われている米国向けを中心に、日本からの輸出は大幅に落ち込んでいる。
もう1つが日本企業のアジアなどへの生産移管や中国などの輸出競争力向上に伴う構造的要因で、これらが輸出の減少や製品の輸入の増加を招いている。
今後については「国内需要の低迷で輸入が落ち込み、短期的には貿易収支の悪化にはブレーキがかかる」(ドイツ証券の武者陵司チーフストラテジスト)との声がある。