衆-財務金融委員会-10号 2001年05月16日

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 21 日 23:29:15:

回答先: 日本の非常時、「レッサーパンダ」氾濫 不良債権問題と安全保障 by 衆議院議員 渡辺喜美 選択2001.6 投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 16 日 04:48:30:

○渡辺(喜)委員 自民党の渡辺喜美でございます。

新内閣の大臣、副大臣、政務官の皆様方におかれましては、まことに御苦労さまでございます。この内閣は大変人気の高い内閣なものですから、一〇〇マイナス森内閣イコール小泉内閣、こういうことでございますので、大臣、副大臣の皆さんも気が抜けないということだろうと思います。
そこで、当面のいろいろな課題の中でも、資産デフレによってもたらされた過剰債務、不良債権問題というのは、これはもう一種の非常時モードで対応しなければいけないことなのですね。
イメージ的にちょっと整理をしてみますと、非常時モードレベルワンの対応策というのはどういうのがあるかというと、例えば赤字国債の再発行とか間接償却の推進、公的資金、例えば優先株とか預金者保護のお金、こういったものの導入、それから金融再生委員会とか再建型の倒産法制なんというのも、こういうレベルワン対応の施策なのでしょうね。
恐らく今はレベルツーくらいですよ。ですからその対応策としては、先ほど柳澤大臣が御指摘になられたような、金融再生だけではなくて産業の方も再生をしていかなければいけない、直接償却も促進をする、また、日本銀行は量的緩和政策をやる。
そしてこのレベルツーの中で欠けているのが、新旧分離の再生策をやろうとすれば、旧勘定から新勘定への移行をやって民間債務をカットする、こういうことをやろうとするならば、やはり産業再生委員会が必要だ、こういうことを私などは主張しているわけでございます。
これが、手をこまねいてほうっておくと、レベルスリーに行ってしまうのですね。
このレベルスリーの段階の対応策というのはかなり過激なものですよ。例えば一九三〇年代のアメリカでやったようなバンクホリデーとか、あるいは終戦直後、我が国でやったような預金封鎖とか新円切りかえとか、そういうことにならざるを得ないのですね。
ですから、そこに行く前に、例えば非常時対応としてペイオフをやるとか、あるいはRCCを平成復興銀行化するとか、あるいは新円切りかえとしデノミをやるとか、そういったレベル二・五くらいの対応があり得るわけでございます。
そしていよいよレベルフォーという段階になりますと、これは何でもありの世界でありますから、日本銀行の資金を使った土地、株大量買い取り。私が三年前にバイアグラ大作戦と称して発表した施策でございますが、例えば塩川ボンドなどを発行して、公共事業の土地を十年分くらい買い集めてしまうとか。永久国債ですよ。あるいは株式保有機構、いわゆる持ち合い株式の保有機構をつくって、もうこれは全量買い取り、強制買い取り、簿価買い取り、そして議決権を行使するという国家社会主義モードですね。こういうのは恐らくレベルフォーの世界です。
したがって、レベルツーの段階でやるべきこととレベルフォーの段階のことを混同してはいけないのですね。どうも緊急経済対策にはそういったあたりの整合性がちょっと欠けていたのではないかと私などは思うのでございます。柳澤大臣におかれましては、我々と同じ発想をお持ちだと実は理解をしておったのでございますが、何か最近は、株式保有機構も積極派に転じられたのかな、などと思われる御発言があって、きょうはそのことは時間がないのでお聞きをいたしませんけれども、ひとつ誤りなき緊急対応をやっていただきたいと思うのでございます。
そこで、きょうは時間がございませんので、五つの質問項目、これはまとめて聞かせていただきます。何とか村上副大臣までたどり着けるように行きたいと思いますが、とにかくこの過剰債務のカットというのは、柳澤大臣御指摘のようにこれは徳政令じゃないんですね。したがって、正しいカットをしなければいけない。民事再生法とか特定調停制度というのは、これは、言ってみれば中小企業向けにつくったものですよ、本質的には。したがって、今の経営者がそのままやっていいよと言ってみたり、あるいは、これはプロラタでカットするわけですから、なかなか大企業にはちょっと適用しがたい。そして、裁判所には業界再編までやる能力もないんですね。したがって、正しい債権放棄、過剰債務のカットをやろうとすれば、大企業の場合はまず減資ということが必要になってくるわけですよ。
日本の株価は、持ち合い制度のもとで、本当に、これは事実上債務超過ではないかとおぼしきところも三けたの株価がついてみたりとか、相当いいかげんな株価形成が行われているわけでございます。そういうときに、債権者と株主とどっちが優先し、劣後するのか、こういう原理原則をきちんと考えなければいけないんですね。中には、株主さんは全然泣かないで、債権者の方が先に泣いちゃうなんというとんでもない債権放棄が行われているわけであって、これはやはりきちんと、一度死んでよみがえるという形で減資をやる、そして、経営責任、メーンバンクの貸し手責任、業界再編、こういう基準が正しい債権放棄なのでございます。
したがって、そういうことを民間任せにやるといっても、これはなかなか難しいんですね。つまり、銀行や問題企業に、言ってみればがんの患者さんみたいな立場ですよ、その人たちに、メスは自分で握って自分の腹を切りなさいと言ったって、これはなかなか難しい話なのであって、やはり国立がんセンターみたいなものをつくって、産業再生委員会をつくって、そこに半ば強制的に入院してもらって、きちんと外科手術をやるということが正しいやり方、処方せんなのではないかと思うんですね。
強制というと、憲法二十九条とか憲法二十二条の問題が出てきて難しいと官僚の皆さんたちはおっしゃるかもしれませんが、我々は政治家でありますから、腹をくくってこの問題に取り組む必要があるのではないかということでございますが、柳澤大臣、最近、ガイドラインの方で経団連に逃げられちゃったりして、ちょっと御苦労されておられるようでございますが、いかがでございましょうか。

○柳澤国務大臣

渡辺喜美委員から、経済の危機的な状況、それぞれのフェーズごとに対応もかくかくしかじか、だんだんグレードアップされていくんだというようなことで、非常に、全体の構図と申しますかピクチャーを包括的に今御発言を通じて描いていただいた、こういうようにお聞きをいたしました。
私、そういう全体の構図を考えながら、今我々の経済がどういうフェーズにあるのかということについて的確な認識を持って、それに対する対処策というものを講じていかなければいけない、こういう思いはひとしお強くいたしたわけでございます。
そういうことで、かねて渡辺委員御主張の、もう産業再生ということを国の機関を通じてやるべき段階ではないか、こういう御主張を繰り返されておられるわけでございますけれども、私も今回、不良債権の処理に当たって、銀行がひとりひっそりと評価をして見込まれる損失について引き当てをしておく、こういうような銀行内部にとどまる処理だけでは、やはり我々の今置かれている経済の状況に対する対応として適切ではないのではないか、こういうように考えるに至りまして、ことしの初めからいわゆる、これは呼称が正しいかどうかはともかく、こうしようということでございますので私もそれに従いますが、最終処理をするということを呼びかけさせていただいてきたわけでございます。
ただ、渡辺先生との違いというのは、これを国家の機関でもって、金融再生委員会もどきのものでしょうか、産業再生委員会というようなものを一つ構築してやるべきだというようなところにまでは、ちょっと私の認識というか考え方が及んでいないわけでございまして、通産省あたりにいろいろ聞いてみましても、なかなか、そこまでの問題について責任を持って本当に適切な判断ができる機関になり得るだろうかということについては、かなりの疑問符がついておるという状況でございます。
そういうようなことで、今のところ、今のところというか、私どもとしては、現段階に対する対処策といたしましては、今のような民民のものに対して私どもがいろいろな、オブザーバーその他、あるいは後見人等々の形で公の部門がかかわっていくということでもって渡辺先生と同じ目的を実現したい、このように考えているというのが現況でございます。

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