投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 20 日 17:49:04:
生保商品チェックの第5回は、保険料の払込期間について。加入するとき
保険によって保障される期間はだれでも チェックするが、保険料の払込期間についてはなかなか注意が行き
届かない。 しかし70歳になって年金をもらいながら、まだ保険料を払い続けるのはぞっと しないと思ったら、払
込期間にも気を付けた方がいい。
多くの保険商品では払い込み期間が定年を迎える60−65歳には終わるよう に設定してある。しかし一部の終
身医療保険などで保険料の支払い方法が「全期型」、つまり死ぬまで払い続けなくてはならない商品がある。
一見、保険料が安くみえる保険には、このようなものも含まれているので要注意だ。
もちろん払込期間を全期型にすることによって保険料が安くなり、払込期 間を短くすると保険料が払い切れず
加入できないようなケースを少なくするこ とができる。できるだけ幅広い人が入れる商品にするための保険会
社の工夫と いうこともできる。
だが、まだ若い人が、保険料が安いと思ってこういう保険に入り、高齢に なったときに保険料が払えなくなって
十分な保障を得られなくなることもあり 得るとファイナンシャル・プランナーの畠中雅子氏は警告する。
定期付終身保険にも落とし穴
保険料にかかわる期間という点では、「定期付き終身保険」にも気を付け なくてはいけない。個人保険の保有
高の6割を占めるポピュラーな商品ではあ るが、この商品はベースとなる貯蓄性の終身保険に死亡保障や医
療保障が特約 として付加された複雑な構造になっている。300万円程度の終身保険の保険金は、 60−65歳
まで保険料を払えば、その先どんなに長生きして死んでも支払われる。
しかし3000万円、5000万円という死亡保障のための定期保険特約の保険金 は10−15年間の更新型になって
いる。つまり終身保険の保険料は60−65歳ま で変わらないが、定期保険特約の保険料は10−15年後に大幅
に値上げされる。 このことを多くの契約者は認識していない。
こういう仕組みになっていることにも「なるほど」と思わせる理由がある。 60−65歳まで定期保険特約の保険料
を均等に設定すると、保険料が高くなり、 若い人には入りにくい。このため更新型を中心に販売しているのだ。
その後の ことは、そのときに考えようというわけだ。しかし高度成長期はインフレ率も 高く、保険に最初に入る
ときには高く思えた更新後の保険料も、10−15年後に は無理なく払える額になっていたため、更新型は合理
的な加入方法ということ ができた。
しかし今のようなデフレになると更新時に次の10−15年間の保険料を知っ て目をむく人が多くなり、更新時に
保障内容を減額しなければならなくなるケ ースも増えている。ただし「高ければ減額すればいい」と高をくくって
いると、 減額が自由にできない商品も多いため解約しなければいけなくなることもある ので要注意だ。最近は
多くのファイナンシャル・プランナーが本や雑誌で、こ の点にについて警告しているため、知らない人はほとん
どいないとは思うが念 のため強調しておこう。
東京 竹内カンナ Kanna Takeuchi TA