投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 18 日 20:43:57:
10/17 20:03 日銀当座預金が高止まり カネ巡りの悪さで珍現象 金融43
共同
米中枢同時テロによる短期金融市場の動揺が取りあえず収まり、
資金需要が強まる九月の中間決算期末が過ぎたにもかかわらず、日
銀の当座預金残高が高止まりする奇妙な現象が起きている。テロ前
の同残高は六兆円程度だったが、十月に入っても、それを大幅に上
回る八兆円超の高水準だ。
背景には、為替のスワップ取引を利用して事実上のマイナス金利
で円を調達した外国銀行が、資金を当座預金に預けっぱなしとする
ことで起こる「カネ巡りの悪さ」がある。日銀はテロ後、同残高の
目標を「六兆円程度」から「六兆円を上回る」に変えたが、「現状
では八兆円が実質的な残高の下限だ」(都銀関係者)との声も聞こ
える。
当座預金残高は金融政策上の調節目標。銀行は預金量に応じて残
高の積み立てが義務付けられており、その額は現在約四兆円。仮に
残高目標が六兆円とすると、四兆円との差額の二兆円が余剰資金と
なり、緩和効果をもたらす。
日銀はテロ以降、動揺の抑制や中間決算対策で当座預金残高を増
やし、一時は十二兆円超にして混乱を回避した。十月に入り、徐々
に残高を減らしたが、七兆円台に下げた途端に資金需給が逼迫(ひ
っぱく)、短期金利に上昇圧力が生じた。
外国銀行は海外からドルを持ち込んで円に替える取引で「事実上
のマイナス金利で円を調達できる」(外国銀行関係者)。このため
、利子の付かない日銀当座預金に預けておくだけで利ざやが稼げる
。短期金利はほぼ0%なので、わざわざ運用することをしないで当
座預金に放置。その分、実際の余剰資金は限られるわけだ。
市場関係者によると、テロ後はこうした取引が活発になり、超低
金利を嫌気して運用されない資金は一時、数兆円にも膨らんだ。そ
のため資金が必要な銀行に行き渡らせるために、日銀は八兆円超の
当座預金を維持せざるを得なくなり、「当分、高水準の残高が続く
」との見方が多い。
(了) 011017 2002
[2001-10-17-20:03]