実在した“問題企業リスト”〜市場揺るがす震源に(PAXNET)

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 25 日 19:30:45:

与党や政府要人が度々口にする“問題企業リスト”はやはり実在したことが明らかになった。経営破たんした大手スーパー、マイカル<8269>も、当然この中に含まれていた。政府が掲げる構造改革の「工程表」の中に、不良債権問題の迅速処理が盛り込まれただけに、今後、同リストに掲載されている企業に注目が集まるのは必至。仮にリスト中の実名が報じられた場合、株式市場が格好の標的にすることにもなりそうだ。

●30社ではなく「29社」

「ウチの取引先が何社入っているか、早急にまとめよ」―。前週半ば、問題企業リストを確保した大手銀幹部が、自行の融資担当者にきつい口調で業務命令を下した。
同行幹部が手にした資料は、このところ首相官邸周辺を対象に活発なアプローチを繰り返していたあるコンサルティング会社が作成したもの。同社は、米系証券のクレジット(与信)担当者が有利子負債の額に着目して集計した「不振企業リスト」と、複数の有力雑誌が「問題あり」と報じた企業の名前を重ね合わせてマトリックス形式で構成されている。
例えば、「△不動産」、「○建設」、「○スーパー」といった具合に示され、米系証券の評価、各誌で扱われた債権分類の差異などに触れている(実際のリストは企業の頭文字とみられるアルファベット1文字を記載)。その数は29社。有力政治家が口にしていた「30社」は、ほぼその概数と言えそうだ。また同リストには破たんしたマイカルも記載されており、同社を除く残りは28社となっている。
このコンサルティング会社関係者がかつて勤めていた金融機関の関係者は、「コンサル会社幹部と有力政治家との交流関係や、最近の政界へのアプローチを分析すると、この会社が作成した資料が問題の“リスト”であることはほぼ間違いない」とみている。同リストは複数の大手銀が確保したもようで、頭文字部分を企業名に置き換え、水面下ですり合わせを行ったところ「個別企業の名称が完璧に一致した」(都銀筋)という。

●金融界に衝撃

政府や与党関係者が9月初旬から頻繁に「問題企業リスト」の存在を口にしていたため、金融界は動揺していた。実際にリストを手にした向きは、更に衝撃を受けている。掲載企業は、銀行が取引関係を断ち切りたくとも、「有力OBが手掛けたアンタッチャブルな案件だったり、政治絡みの要因で無理やり存続させていた企業ばかり」(同)。しかし、「リスト掲載企業の存在が、いつのまにか銀行が仕立てた諸悪の根源のように扱われている」(別の都銀筋)と、戸惑いを隠せない。
一方、困惑してばかりでは始まらないと、リストを確保した金融機関はメディア対策や融資の存続協議などに動き出した模様だ。リストは個別企業名に触れていないものの、前述したように担当者がリストを見れば、すぐに実名は判明し、株式市場で売り浴びせの餌食にされる。「第2、第3のマイカルが表れるのは時間の問題」(同)といえよう。
同時に、個別金融グループによっては、「複数の問題企業の破たんは、自行の存亡にかかわる事態に発展する可能性がある」(同)。9月初めから話題を集めてきた「30社リスト」は、9月中間期末や年度末に向けて市場の震源になるのは間違いない。

○URL
・“延命装置付き”企業は20社?30社?〜困惑する金融界
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200109/19/20010919144509_01.shtml
[相場英雄 2001/09/25 13:27]

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