投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 18 日 02:48:24:
:竹中平蔵・経済財政政策担当相は17 日、ブルームバーグ・ニュースの単
独インタビューに応じ、財政規律を堅持しながら今後の政策展開の財源を確保する方法として国有財産の売
却を挙げ、なかでも「転換国債」の発行による財源確保策を一例として提案した。小泉政権 が国債発行30兆
円枠の原則を掲げるなか、改革路線を崩さずに資金調達の幅を大胆に広げるのが狙いとみられ、今後、議
論を呼びそうだ。
同相は、売却対象の国有財産として、国立大学の土地や株式などを挙げ、 さらに「あくまで一つの例」としたう
えで、「転換国債」の発行に言及した。具 体的には、国が保有するNTTやJR各社、日本たばこ産業(JT)の株
式を 活用して転換国債を発行する手法を提案した。同相はこの背景として、多様な 財源確保策を組み合わ
せることの重要性を強調した。
当面の経済政策では、規制緩和や不良債権処理に取り組む決意を繰り返す とともに、「米同時テロへの対処
と、デフレへの対応が残されている」と指摘。 「財政についてはフレキシブルに対応すべきだ。どんな可能性も
否定しない」 と述べ、テロ対応や経済情勢次第で2001年度の第2次補正予算編成を排除しな い考えを示し
た。
今年度成長率はマイナス0.8−1.0%程度に
一方、2001年度の政府経済見通しプラス1.7%の見直しについては、「個人 的な見解」としたうえで、「マイナス
1%成長からマイナス0.8%成長程度にな ると思う」との見通しを明らかにした。改定時期は、2001年度補正予
算が11月 上旬にも提出される日程との関連で、「だいたいその時期と考えてよい」と述べ、 補正予算案の決
定に併せて改定見通しを公表する方針を示した。
実体経済が大幅に悪化し、同相自身も早い段階で政府見通し改定の方針を 打ち出したにもかかわらず、改
定時期がずれ込んでいることについては、米国 で年央に見通しを改定している例に触れ、「来年、再来年あた
りには米国のよう な方法で出せればと思う」と述べ、改定方法の見直しに意欲をみせた。
「未知の領域」に入りつつある日本銀行の金融政策に関しては、日銀の潤 沢な資金供給の結果、資金量と金
利の関係が「不安定」になっている面がある と分析し、金利をあらためて金融政策の目標とすることが課題だ
と指摘。さら に伝統的ではない政策として、インフレターゲティング導入や、日銀が買い入 れる債券の多様化
などの必要性にも言及した。
竹中経済財政相に対するインビューは英語で行われた。
東京 青柳仁美 Hitomi Aoyagi TA