投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 16 日 17:25:56:
日銀の速水優総裁は16日の記者会見で、自民党のワーキングチ
ームなどが物価上昇率を設定し、その達成期限を明確にする「インフ
レターゲティング」(インフレ目標策)の導入を求めていることについ
て、「デフレ下でインフレターゲティングを導入した前例はなく、物価上
昇に結びつくか疑問。現時点での採用は適当ではない」と語り、早
期導入に否定的な見解を改めて示した。そのうえで物価下落を止め
るためには金融政策はすでに限界に達しており、不良債権処理など
の構造改革を進めて民間の資金需要の回復を図ることが重要との
考えを重ねて強調した。
速水総裁は物価下落に歯止めがかからない景気の現状につい
て、IT(情報技術)関連の世界的な不振による輸出減を起点にした
生産の大幅な落ち込みが雇用や所得面に波及してきていると指摘。
さらに需要の弱さに伴う物価の低下圧力が強まっているとして「デフ
レスパイラルに陥らないか注意深く点検していく局面にある」と強調、
物価下落が景気後退の悪循環につながるデフレスパイラルの再燃
に対する警戒感を明らかにした。