投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 13 日 21:59:01:
日本エネルギー経済研究所はこのほど、米同時多発テロに対する米英軍によるアフガニスタン報復攻撃開始が国際石油市場へ与える影響についてリポートをまとめた。それによると、今後の展開にはまだ不透明な要素があり予断が許されないものの、空爆対象がアフガン国内の軍事拠点に限定される場合は原油価格高騰の可能性が低いと指摘。当面、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI(エスト・テキサス・インターミディエート)原油先物相場は1バレル当たり20−26ドル前後で推移すると予想している。
エネ研では、米英軍が今月7日(現地時間)に空爆を開始した翌日のNYMEXで、WTI原油相場(期近11月限)が1バレル当たり22.45ドルと、前営業日と比べてほぼ横ばい。9日も22.48ドルと変動幅が少なかったことから、軍事行動開始後も原油価格にはほとんど影響がないと分析する。
この要因として、空爆対象がアフガニスタンに限定していることや、原油需要の落ち込んでいることなどを挙げている。さらに、米国エネルギー省エネルギー情報局が4日に発表した短期エネルギー需給見通しによると、2001年第3四半期の需要は、1日当たり7660万バレル。これに対し、9月の予想は1日当たり7730万バレルと、わずか1カ月で70万バレル下方修正した。
エネ研のエネルギー動向分析室の小山堅室長は「軍事行動の開始による消費者心理の冷え込み、投資低迷が加速化すれば石油需要の落ち込みが一層拡大する可能性もある」と述べ、原油価格の引き下げ要因として強く影響していくこともあるとしている。
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