投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 11 日 22:25:19:
米国株式市場の上昇を素直に反応し朝方はハイテク株中心に上昇。一方、大手銀行株は朝方は軟調推移となり、4大メガバンクは揃って前場段階で年初来安値を更新した。このような物色面のチグハグがあったことから日経平均は堅調ながら上値は重く、前場は伸び悩み225先物は1万130円で取引を終了。ただ本日は不良債権処理問題等に関して、やや踏み込んだ材料が飛び出し後場から大手銀行株中心に買い直され、ハイテク上昇に呼応した結果、225先物は一時1万370円までの上昇を演じるに至った。
その材料とは3つ。まずは、前場に電子媒体を通じて流れた、「日本から銀行問題に対して具体的措置が出るだろう」との米オニール財務長官の発言(なお、これは前場中に流れたが市場の反応は乏しかった)。次に、昼休みに発表された三井住友銀行の2001年9月中間期業績下方修正。今中間期の連結最終利益が従来予想の750億円から300億円に変更し、中間配当は見送り、2002年3月期末に6円配当を実施するという内容であった。市場では一応、アク抜け感が出たようで、前場699円まで売り込まれた同行の株価は結局終値では756円まで値を戻して取引を終了した。最後に、ようやく金融庁が動き出したこと。森金融庁長官が、株価など市場の評価が急速に低下している貸出先の資産査定に的を絞った大手銀行への特別検査を、月内にも前倒し実施する方針を明らかにした。これにより、動きの鈍いと市場から失望されていた当局に対する期待が出てきたのである。
わが国固有の問題である不良債権問題に前進が見られた点は評価されることになりそうだ。テクニカル的には、内外の投資環境が不透明な間は、引き続き投資戦略は単純化しておく必要があろう。すなわち、25日移動平均線より上なら自律反発、強気。
下回ったら、弱気転換である。抜けたら買い、割れたら売りと機敏に神経質に動く必要性が高い不安定な局面と認識しておきたい。不良債権処理への当局及び銀行自身の取り組みと米ナスダック動向が、当面の日本株の方向性を決めることが予想される。