投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 11 日 22:23:04:
米国同時多発テロ事件への対応として米英を中心とする各国は、テロリストからの「追加テロ」への警戒感を強めている。米国への後方支援策を打ち出している日本でもテロ攻撃への備えを進めているところだ。こうしたなか、一部市場参加者の間で、在アジア過激派の存在に注目する向きが増えている。
●インドネシア、フィリピン株が急落
アフガニスタンでの戦闘が開始された8日、欧米主要国の株価は下落したものの、「報復攻撃開始は時間の問題」(銀行系証券)との見方が浸透していたため、その幅は限定的だった。日本ではあまり注目を集めなかったが、この日大きく値下がりしたのはインドネシア、フィリピン両国の株価だ。
インドネシアの株価指数は約4%、フィリピンは約3.5%下落。またインドネシアの場合、通貨ルピアが6%も下落した。双方の市場が大幅に下落したのは、イスラム原理主義者で構成する過激テロ集団の存在が背景にある。
両国ともにテロ集団の無差別爆弾事件や誘拐事件に頭を悩ませているのは金融市場でも周知の事実で、「米英の報復攻撃を受け、追加テロへの思惑から金融市場が下落した」(同)のは、ある意味自然な動きと言えよう。
●在アジア組織が対日テロ?
しかし、情報収集に長けた株式市場関係者が、予測された動きだけでテロへの警戒感を緩めるはずはない。現在、東京市場で懸念されているのが、こうした在アジアの過激組織が「日本をターゲットにしたテロを展開するリスクを完全に否定できない状況にある」(別の銀行系証券)と言うのだ。
この種の情報収集を活発化させている向きが根強く警戒するのは、航空機を使ったテロ説だ。「マニラもしくはジャカルタ発の航空機が日本の原子力施設を狙う」という厳しい見方も。こうした観測を裏付けるものかどうかは不明だが、実際、全国各地の原子力施設は、かつてない警備体制の下に置かれている。
また、テロ事件以降、日銀や金融庁など金融の決済機能をつかさどる当局が「突発的なテロに備え、不眠不休でバックアップ体制の整備、緊急体制作りに動いている」(金融当局筋)のは紛れもない事実だ。
●テロなら景気に“壊滅的”被害も
「テロ不安を煽るつもりは一切ないが、仮に追加テロが日本周辺で起きればとんでもないことになる」(同)。そうなれば、長期化が必至と言われる米国の対テロリストへの攻撃が、思わぬ副作用をもたらすことになってしまう。
冷え込みきった個人消費が更に落ち込み、景気が壊滅的な打撃を受けるのが確実となろう。不良債権処理の遅れなど、重しを抱えたままの日本経済は、不測の事態という新たな重しを抱え込んだ形だ。
[相場英雄 2001/10/11 13:27]