投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 10 日 20:26:51:
10/09 18:00 社債市場に暗雲広がる マイカルの不履行が冷水 金融39
共同
破たんした大手スーパー、マイカルが発行した社債が過去最大と
なる約三千五百億円の債務不履行(デフォルト)となり、社債市場
に暗雲が広がっている。有利な利回りから人気を集めていた個人向
けは約九百億円、九日には島根県教職員互助会も約七億五千万円の
社債を購入していたことが明らかになった。
不良債権処理で銀行が資金仲介の機能不全に陥っている中、社債
は企業の直接的な資金調達と、個人金融資産の効率的運用の手段と
して期待されていただけに、関係者の衝撃は大きい。信頼回復に向
けた市場の整備が求められている。
二○○○年十月発行の個人向け社債の条件は償還期間四年、利率
3・25%。満期まで保有すれば元本と利息が得られたはずだった
が、経営破たんで弁済はかなりの低率にとどまるとの見方が支配的
。個人の社債保有者は二万人以上に上るとみられている。
購入判断の一つが「格付け」。マイカルは当時、投資に適してい
るとされるランクを取得し「一年もたたないうちに破たんする会社
ではない」とみられていた。ただ3・25%の利率は超低金利の下
では突出した好条件で、高リスクの裏返しでもあった。格付けはそ
の後下がったが、その重要性が個々の投資家にどこまで伝わってい
たかは「疑問もある」(市場関係者)という。
投資は自己責任だが、個人での信用度の把握には限界がある上、
手放したいと思っても個人投資家が売買できる市場がなく、リスク
を認識しても償還まで持ち続けるしか手段がない。ソフトバンク系
シンクタンク、ソフィアバンクの藤沢久美ディレクターは「売った
方もデフォルトするとは思ってなかったはず。投資促進には個人ベ
ースで参加できる本格的な社債市場の整備が急務」と指摘している
。
(了) 011009 1759
[2001-10-09-18:00]