投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 09 日 22:49:44:
米英軍によるアフガニスタン空爆開始とその影響が読み難いことで3連休明けの東京市場は軟調なもみあいとなった。日経平均は194円安の1万0011円77銭と1万0015円84銭の25日移動平均線をわずかながら割り込んだ。これにより、再び、「25日移動平均線を強力なレジスタンスとした下落局面入り」の可能性が高まったようだ。少なくとも、今後、再び同線を上回らない限り、厳しい投資環境が続くことになろう。
朝方は米国市場で半導体関連銘柄が強い動きとなったことからアドバンテストが強い動きとなり日経平均を下支えしたものの、東証一部の値下がり銘柄数が終日1000超の全面安商状が続き、センチメントの好転につながることはなかったようだ。特に、後場に柳沢金融担当相が優先株に関し、3月期に無配となれば議決権を行使して経営責任を問う可能性を示唆したことで朝方から弱い動きを続けていた銀行株が一段安となったことがセンチメントを更に悪化させた。
政策当局が思った以上に景気が減速していたところに、米国同時多発テロが発生した。このような状況においても、30兆円枠にこだわり続けた上に、お経のように「大胆且つ柔軟に対応」となんの具体性もない言葉しか聞こえず、一体、大胆って何を大胆にするのですか?柔軟って、何に対して柔軟に対応するのですか?と市場が問いかけても、答えはいつも同じでは、さすがに株は買えないということになるのだろう。
政策当局サイドからは、マクロ環境の悪化は全て構造改革を行わなかった結果であり、その結果、株価が下落して不良債権償却原資が枯渇して動くに動けなくなった銀行は銀行自身が悪いのであり、当局に責任はないという方向に向かいつつあるような気もする。市場サイドからすれば、当局も動きが鈍ければ、当の銀行も動きは鈍く、責任は両者にあり、どちらかに一方的に責任があるとも言えないのではと感じるが。
迫り来るペイオフ解禁と恐怖の3月決算と配当問題に怯える状況となりつつある。政策当局は、どうやら銀行経営者に責任を押し付ける形で一連の不良債権問題を幕引きする可能性が出ており、いよいよ銀行自身がなんらかのメッセージを市場に発する必要性が高まりつつあるようだ。
それにしても、国会はテロと米国支援一色となり経済問題に関しては、見極める、大胆且つ柔軟にだけでは、あまりに具体性にかけ、このままジリ貧となる可能性が高まろう。テロ問題及び米国支援、狂牛病、そして、不良債権処理問題はせめて対等に並行的に扱ってくれないと市場は下落ということで泣き叫ぶことになるだろう。