投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 09 日 22:43:19:
「1度あることは2度ある」といわれている。さらに「2度あることは3度ある」とするのも常識的な経験則である。ところが2度や3度でおさまらないものが出てきた。今回のアフガン爆撃も加わり、少なくとも年内に4度はあるとみられている・・・のが企業業績の下方修正だ。
ソニー<6758>が、7月と9月に発表したように、下方修正は2001年度上期で既に2回に及んでいる。そして下期も、最低でも同じ回数だけ下方修正が重なるとされているのである。上期の修正要因が、つるべ落としのようなIT(情報技術)不況だったのに対して、下期はさらに今回のアフガン爆撃、クリスマス商戦の不調、株価崩落の逆資産効果などの悪化要因を織り込むことになるからだ。その悪環境下でひとり異彩を放っているのが、情報サービス産業である。
アルファシステムズ<4719>が、9月中旬に連続最高利益業績(7月決算)を発表したのに続き、日立ソフトウェアエンジニアリング<9694>が全般逆行の業績の増額を伝えられた。絶好調なのだ。9月中間決算の発表が本格化する10月相場は、情報サービス産業株、ソフトウェア株がアフガン爆撃で市場ムードが不透明化するなか、消去法で浮上する可能性は大きそうだ。
●ランキング上位に5社が進出
情報サービス産業株が好ポジションに位置しているのは、9月初めにすでに触れている。IT不況は半導体やパソコン、携帯電話などのハード不況であり、ソフトは好況を満喫し、システムエンジニア(SE)不足が恒常化していると報告した。そしてこのブーム状態は株価にも反映済みだ。9月の東証1部月間上昇率ランキングの上位20社のうち、5銘柄が情報サービス産業株で占められたのである。日経平均株価が1万円の大台を割って大波乱となるなか、出色の健闘ぶりであった。
さらにこの好位置独占が、これから9月中間期決算発表が本格化するなかで一段と際立ってくる。企業業績全般は絶不調そのものだからだ。大手証券が9月中旬に明らかにした第2次決算予想では、経常減益幅は当初予想より大幅に悪化、3年ぶりに15%程度のマイナスになる見込みなのである。しかも、この第2次予想のあとに同時多発テロ、株価崩落が起こっており、業績環境は悪化の一途である。情報サービス産業株の決算発表に注目が集まるのは当然のコースとなる。
●修復相場のトップバッター候補
となれば、テロ事件が一巡後の修復相場のトップバッターは決まりである。9月の上昇率ランキング上位に入ったやや骨太の5銘柄が一段高に進み、全般相場を引っ張る展開が有力となる。日立ソフトも含め、アルファシステムズ、CAC<4725>、NECソフト<4774>、アイネス<9742>、NTTデータ<9613>などの買いタイミングをはかるところであろう。
[相馬太郎 2001/10/09 13:10]