投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 08 日 19:59:54:
8日のロンドン外国為替市場では、ユーロがドルに対して急騰している。米英軍が前日にアフガニスタンに対する軍事攻撃を開始したことから、ドル売りの地合いが強まるなか、この日グルジア共和国のアブハジア自治共和国で、国連の監視ヘリコプターが撃墜されたことがきっかけとなり、ユーロが買われている。ただ、この撃墜は今回のアフガニスタン攻撃とは関連していないもよう。
フランス通信(AFP)がロシアのタス通信の報道として伝えたところによると、国連のヘリコプターがグルジア共和国のアブハジア自治共和国でグルジア人とチェチェン人の拠点である地域内で撃墜され、6人の停戦監視員と3人の乗務員が死亡した。
日本興業銀行(ロンドン)の日系営業課長、本多秀俊氏は「国連のヘリコプターが撃落されたことがきっかけとなり、ユーロが急騰している」と語った。また「アフガン攻撃など戦争が始まったことで、スイス・フランが高くなっている」と指摘し、通常のような有事のドル買いとならない理由として、「今回の戦争が長期化することも予想されており、米国の同関連支出が大きく膨らむことが懸念されている」ことを挙げた。
ロンドン時間の8日午前10時半現在、ユーロはドルに対して1ユーロ= 0.9215ドルと、前週末遅くの0.9171ドルから急騰している。また、資金が安全投資先としてのスイス・フランに流れたことから、スイス・フランはドルに対して1ドル=1.6030スイス・フランと、同1.6173スイス・フランから上昇して推移している。
一方、ドルは円に対して1ドル=119円83銭と、同120円33銭から小幅下落している。興銀の本多氏は「1ドル=119円台半ば付近で、日銀の介入が見込まれるため、ドルの下落は限られるだろう」と語った。
テロ攻撃懸念でポンドも下落
ポンドもドルに対して下落している。英国がアフガン攻撃に参加していることから、英国がテロリストの攻撃目標になる可能性もあるとの見方から、資金はより安全な通貨に流出している。同時刻現在のポンド相場は、1ポンド= 1.4753ドルと、同1.4802ドルから大幅下落している。
富士銀行(ロンドン)の国際資金為替部のマネジャー、高木信一氏は、「英国はテロリストに攻撃される可能性もあるため、ポンドが売られている」と語った。
ロンドン 大河内 啓子Keiko Okochi HO