投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 07 日 17:41:22:
旧建設省が昨年10月、整備計画決定している高速道路について、将来の交通量が予測の8割にとどまった場合、日本道路公団の償還計画が破たんして68兆円の負債が残るという試算を自民党側に示していたことが6日、分かった。高速道路を巡っては、最近20年の整備計画決定路線と、高速道路に編入される見通しの高速代替道の00年度の交通量が、予測の約7割にとどまっていたことが判明しており、公団の事業計画の危うさが浮かんだ。
試算が示されたのは、自民党本部で開かれた同党道路調査会の「高速道路の整備手法に関する勉強会」。旧建設省側が国会議員9人に資料の一部として配布した。
試算の対象は、国から償還計画の承認を受けた9006キロを含む整備計画決定路線9342キロ。公団の見通しでは、2020年度に総額49兆円をかけて全路線の建設が終了。負債は翌21年度の34兆円をピークに減少して、51年度に償還することになっている。
しかし、試算によると、将来の交通量が公団側の予測より2割減った場合、計画通りに建設を終えた後でも、料金収入では借入金の利息も払えず、負債は雪だるま式に増える。この結果、償還の計画は破たんし、償還期間終了時の51年度には負債が68兆円まで膨らむと見通している。
交通量が予測の1割減の場合は、建設終了後に少しずつ借入金は減るものの、償還期間終了時には31兆円の負債が残ると見込んでいる。
試算と同時に配布した資料では、料金収入とGDP(国内総生産)との相関性が非常に高いことを指摘。現行の計画で、当面GDPの年間1・9%増を前提としていることについて「過去10年間の平均(1・6%)を上回る」と指摘し、実現性に疑問を投げかけている。
国土交通省の幹部は試算の存在を認めたうえ、「当時より景気はもっと悪くなっている。(事業計画に)不安はある」と話している。 【道路公団取材班】
[毎日新聞10月7日] ( 2001-10-07-03:01 )