投稿者 SH60B/Seahawk 日時 2001 年 10 月 06 日 23:31:31:
回答先: さぁ、矛盾を探してみよう。藤井厳喜(= 藤井昇)氏(ケンブリッジフォーキャストグループ代表) 著『「円」の消える日』 廣済堂出版(2001年10月) 投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 06 日 22:13:57:
SH60B/LAMPSです。タイムリーな書評、ありがとうございました。各論を見れば藤井氏の言うことも分からないでもないし、日米保守協会?の理事職をやっているだけのことはある米国関連知識は一読に値すれど、178ページの記述内容には納得できなかったです。だいたい、円が消える日なんてタイトルを付けるような本の中で国債を優良資産とするのはいかがなものか。10年後に戻ってくる円資産て一体どうなっているのか?円の価値が落ちれば国債償還時に受け取れる日本円は対ドルで相当目減りしていてリスクヘッジにはなり得ないということは少し勉強すれば分かるだろうし、藤井氏はこの国の強味を強固な製造業(銀行による貸し渋り、貸し剥がしの上に海外移転による国内産業空洞化については書いていない。)と景気回復するだろうという楽観的観測に基づいているのが解せない。細かいところを探せば他に突っ込み所はあるが藤井氏は過去と現在がまだマシだから今後も悪くならないと思い込んでいるとしか思えません。それから浅井氏はデフレからインフレへの転換過程については確かにしつこくは書いていないが、石油価格などの商品指標や政府や日銀の量的緩和とインフレターゲット。さらには過去の世界史・日本史を例証してそれなりには述べてくれていると思います。託宣の様にインフレを煽っているわけではないと思うのですが、いかがでしょうか。