投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 05 日 21:11:17:
今年度に入って以降、厳しい自己査定の実施、取引先企業の相次ぐ破綻、金融庁による指導の厳格化、さらには不況の長期化などで地方銀行・第二地方銀行各行の不良債権額が急拡大傾向を辿るなか、銀行評価の基準が収益性から再び安全性・健全性に戻りつつあると判断せざるを得ない状況となってきた。
銀行がその基本的な業務により得た利益である業務純益は不良債権の償却原資として近年、ますます重要性が強まってきたが、債券含み益の益出しで業務純益を嵩上げする傾向が定着したことに加え、一般貸倒引当金繰入額が決算期ごとに大幅に変動する傾向が顕著となってきたことから、業務純益の収益性指標としての安定性や信頼性が損なわれている。
こうした点を考慮して、全ての地方銀行・第二地方銀行の経営健全性を各行の2001年3月期決算時の財務数値を基に、ランキングを新たに作成した。
今回の見直し作業の結果、高水準の健全性指標を堅持している優良地方銀行・第二地方銀行が軒並み順位を上げた。たとえば、健全性に定評がある八十二銀行<8359>が第1位の座を占めた。一方、公的資金への依存度が高い横浜銀行<8332>が前回の第1位から第5位に順位を下げた。ランキング上位行の中では不良債権が極めて少ない阿波銀行<8388>が第11位から第3位に順位を上げ、堅実経営で定評のある七十七銀行<8341>も第12位から第4位に順位を上げた。(金融ジャーナル社「金融ジャーナ
ル」10月号より転載)
[アナリスト・ネット・ジャパン株式会社/客員アナリスト 幾代 雄四郎]