投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 05 日 21:08:31:
「6、7、8日の連休中に波乱はないのか」(銀行系証券幹部)―。東京株式市場関係者が10月初旬の“ロング・ウィークエンド”に不安を募らせている。過去、連休中や連休明けに銀行などの大型倒産が相次いだ経緯があるうえに、昨年は10月9日に千代田生命保険が破たんしたからだ。市場では「問題企業リストに掲載されている会社
や一部金融法人の経営不安説が根強くささやかれている」(同)ため、連休中も気が抜けない関係者が多い。政府内で不良債権処理に向けた足並みが乱れていることも、投資家の不安心理を一層増幅させている。
●やはり出た「実名」報道
政府・与党の要人たちが度々口にしていた「問題企業リスト」が、やはり一部月刊誌や週刊誌上で“実名”入りで掲載された。経営破たんしたマイカル<8269>のように、目先の資金繰りに窮し、株式が売り浴びせの対象となっている企業はまだ少ないものの、「リストを事前に入手していなかった投資家へのネガティブ・インパクトは大きく、メーンバンクとなっている銀行株とともに売られがち」(同)の情勢だ。
ただ「実名が報道されるのはある程度織り込み済みで、パニック的な売りが個別株に浴びせられていないのは不幸中の幸い」(米系投資信託)ともいえよう。
●誰が仕切っているのか?
しかし、市場関係者の不安が払しょくされたわけではない。背景には、不良債権処理への政府部内の足並みの乱れがある。問題企業リストを巡って首相官邸と金融庁側が強烈な綱引きを繰り広げたのは先月のこと。結局9月21日に開かれた経済財政諮問会議では、金融庁が銀行に対して株価や格付けを加味した業種別の引当強化を求めたうえ、銀行への特別検査方針を打ち出し、「改革工程表」に盛り込んだ。官邸対金融庁の駆け引きは、ひとまず決着したかに見えた。
●竹中発言に金融庁反発
しかし、10月に入って竹中平蔵経済財政担当相が「工程表を点検するのは経財会議の当然の仕事」と強調、金融庁の特別検査を更にチェックすると発言したのだ。
当然、金融庁側はこれに強く反発。主要メディアを通じてこうしたチグハグさが伝えられ、「誰がどう政策運営を仕切っているのか全く分からない」(欧州系投信、銀行系証券)との動揺が広がっている。
「御者(政策の実行者)の見えない馬車がいつ暴走するか分からない」(銀行系証券)というわけだ。“仕切り役”が明確にならない限り、「週末は経営破たんの要注意日として気が抜けない」(同)関係者が少なくない。
○URL
・実在した“問題企業リスト”〜市場揺るがす震源に
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200109/25/20010925133009_06.shtml
[相場英雄 2001/10/05 09:29]