投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 05 日 16:08:52:
東京 10月5日(ブルームバーグ):5日の債券相場はもみ合い。この日行われた新発5年国債は割高との見方が強く、入札結果発表後に先物市場では一時的に売りが膨らんだ。半面、年度下期入りしたことから投資家の潜在需要はおう盛との観測が相場を下支えした。
あおぞら銀行の柳谷敏郎金融市場部・部長は、「下期入りということで期間収益確保を狙うとなれば時間を有利に使いたいという意識が働く。5年債の入札を終えて中期債も底堅さが示されており、金利上昇を見込む向きにはやや不利な状況だ」と指摘。相場の明確な方向性は定まっていないとしながらも、どちらかといえば堅調な推移が続くのではないかとの見方を示していた。
先物12月物は午前の取引では前日の終値139円81銭付近で推移していたが、午後に入ると一時的に水準を切り下げる局面があった。
5年国債の落札価格は予想の範囲内に収まり、落札倍率も前回の1.63倍から2.25倍に上昇するなど無難な結果となった。しかし、「投資家にとっては割高入札との印象が強く、100円付近での押し目買い姿勢を変えていないため、落札したディーラーからヘッジ売りをかけなおす動きが出た」(UFJキャピタルマーケッツ証券・道家映二シニアストラテジスト)と言う。
ただ、5年債利回りが0.5%に上昇すれば需要は強いとの見方が一般的なため、先物139円60銭台では買い戻しが優勢となった。
現物10年物の234回10月債の利回りは、日中の取引で4営業日ぶりに1.4%乗せとなったが、その後は再び前日比0.01ポイント高の1.390%に戻した。
234回債の利回りは下期入りにあわせて緩やかに低下し、3日の取引では一時1.365%を付けた。しかし、「生保などは1.4%台では買ってくるが1.3%台半ばにかかってくると途端に買わなくなる。中間決算期末前と同じで上下の壁がしっかりできている状況」(富士銀行資金証券営業部・池村幸雄次長)で、来週以降も1.4%中心のボックス相場が続くとの見方が多い。
入札結果は予想通り
この日の5年国債の入札結果は、ほぼ事前の予想範囲内に収まった。今週初には都銀などが中期ゾーンを購入しており、こうした買い需要に応じたディーラーから売り持ち高を穴埋めするための買いが入った。
財務省の発表によると5年物の15回債入札で、平均落札価格は100円11 銭(利回りは0.477%)、最低落札価格は100円10銭(同0.479%)だった。
発行予定額1兆6000億円に対して、応募額は3兆5692億円。募入決定額は1兆5853億円で、募入決定額に対する応募額の割合を示す落札倍率は2.25 倍と、前回(9月債)の1.63倍を上回った。割り当てを受ける最低価格における案分比率は18.2911%。
先物12月物は前日比2銭高の139円83銭(利回りは1.442%に低下)。売買高は2兆86億円。新発234回10月債の利回りは同0.01ポイント高い1.390%(価格は100円08銭に下落、複利利回りは1.391%)。日経平均株価は前日比 39銭高の10205円87銭。為替相場は午後3時15分現在1ドル=120円55銭で取引されている。
東京 赤間信行 Nobuyuki Akama HS