投稿者 DC 日時 2001 年 10 月 05 日 00:43:21:
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[455] スイス航空 投稿者:藤原直哉 投稿日:2001/10/04(Thu) 09:30
スイス航空が全便運航を停止しました。ここは実はウォール街と並んで世界の「もうひとつの金融」のグローバ
ルな一翼を担う腕だったのです。スイスのイタリアとの国境近くにゴールド等の精錬所があって、アフリカなどか
ら粗く精錬した金属バーをスイスに持ってきて、できあがった金塊等を世界中に配送していたのがスイス航空で
す。ゴールドはロンドンで現物の値段が決まって、現物の製造と管理はスイスのUBSがやっていて、全世界へ
の運搬はスイス航空がやっていました。ここが米国のデリバティブ金融と同時に破綻したことは、きわめて象徴
的です。欧米による世界の金融支配は終わりに近いのではないでしょうか。それと何年か前にスイス航空のニ
ューヨーク発ジュネーブ行きのMD11が謎の火災を起こして米国北東部に墜落した事故がありました。確かこ
の便の番号がスイス航空111便。ここでもまた11が良く出てきます。この事故原因は結局配線のショートでは
ないかということで、スイス航空では座席に備え付けのテレビを全部使えなくしていました。同じようにニューヨ
ーク沖で謎の空中爆発を起こしたTWA800便も配線のショートが原因だと言われていますが、真相はまったく
不明です。
今回のテロで米国政府が事前にいろいろ仕組んでいたという話がよく出てきますが、私はパールハーバーを含
めて、どうも実感として腑に落ちません。米国人には気質としてそういうことはできないように思います。軍や情
報機関などの官僚組織では、その組織文化がよく消極防衛文化、なかでも伝統的文化、依存文化、忌避文化
に陥ります。たとえ重大な情報があってもなかなかそれが上に上がっていかない事なかれ主義的な組織文化
によく陥るものです。今回もパールハーバーも単に平和ボケした組織の問題が生んだ事故ではないのでしょう
か。それを言っては米国の尊厳にかかわるので、ケネディーの事件と同様にあとから最もらしいカバーストりー
をわざといろいろ流して、メンツを保っているのではないでしょうか。真相はみんなが呆気にとられるような大ポ
カ、大ミスなのではないでしょうか。だからラムズフェルド国防長官などあんな調子でカッカ頭に来ているのでは
ないのでしょうか。もしこれが彼らが仕組んだ陰謀だったら、彼ら特有のしてやったりという自信と笑顔がテレビ
の画面に出てくるはずです。
しかし彼らトップが知らないところでCIAなどの誰かが陰謀に加担してたとしたら、それは大いにあり得ることで
す。2・26ではありませんが、軍や情報機関が勝手に行動する可能性はいくらでもあります。でも、とても米国
内の下級軍人、情報機関の連中だけでできる仕事とも思えません。誰か陰謀の絵を描いて世界をコーディネー
トしている人がいるはずです。
だいたいオサマ・ビンラディンだってタリバンだって、昔はCIAの手先として働いていたわけではないですか。誰
よりもCIAや米軍や米国人を良く知っているのは彼らではないのでしょうか。私も米国の金融機関に5年半勤
め、その後の米国の金融機関の様子を見るにつけ、どんどん嫌悪感を感じるようになってきました。米国はここ
で傲慢さを改めてイチから出直さないと未来を開けないのではないかと思います。
陰謀をやるとしたらそれは何と言ってもイギリス人、欧州人です。シャーロックホームズの探偵小説を見ればイ
ギリス人を含めて欧州人の表と裏がまったく違う様子がよくわかります。スイスのプライベートバンクを見ていて
も、卒倒するような表と裏が出てきます。たとえばテロリストが麻薬を売買して送金すればマネーロンダリングで
すが、欧米の武器商人が武器の売買をしてもマネーロンダリングにはなりません。こんなの典型的なダブルス
タンダードではありませんか。
今回のテロ後、米国の軍事力が再び中東の紛争地帯に投入されることになりましたし、ロシアは欧州との軍事
的結びつきを強めることになりました。欧州にとってはやれやれではないのでしょうか。英国が全部の絵を描い
て欧州大陸に恩を売ったのかもしれません。英国のある銀行が今回のテロの資金源だという話も聞こえてきま
す。いずれにしろ以前『未来経済学』に書いた21世紀の大ユーラシア構想に向けて欧州は具体的に動き出し
ているのではないでしょうか。そしてそれは人の陰謀を越えて、すでに神の手によるものになりつつあるのでは
ないでしょうか。
欧米人にとっては鉄砲玉とお金は表裏一体です。ですから欧米人が胴元になる金融というのは、日本のように
安全第一の役人みたいな人が扱えるようなものではありません。彼らは戦争を行うとき、平和をもたらすための
戦争、または勝利をもたらすための戦争、いずれも行うことがあります。平和を維持できなくなったらどちらか一
方の勝利を求めて戦争は拡大していきます。
日本で今回欧米の戦いに参加しようと言っている人たちは欧米の書いた世界秩序の中での日本の序列を上げ
たいというのが本音なのではないでしょうか。しかし、彼らの世界秩序がこれから壊れるとしたらこの日本の選
択は日本に何をもたらすのでしょうか。
我が身を捨てて人を助けるということをやり抜くという精神であったら、その精神を持つ人は神様が良いことをさ
せて使うので、不思議なことが起きてくる、これが大和魂というものです。ベティン教授も、良いリーダーは送り
バント(犠牲バント)がうまいリーダーだとおっしゃいます。これって、大和魂と同じことを言っているのです。西洋
の考え方も日本の考え方も、突き詰めたら同じではないか、これこそ東洋思想と西洋思想の融合なのではない
かと思うのです。
近代科学が行き詰まり、欧米人による神を排除した理性だけでの発想と行動が限界を迎えた今、その次の時
代を作る思想には再び神が戻ってくるはずです。人の都合ではなくて神の都合、これと一人一人の生き甲斐と
の融合が21世紀以降の時代の一番の要諦ではないかと思います。もともと日本古来の思想は神と人が一体
でこの世を作っていくというものです。神と人は同じではありませんが、同じ目標に向かって生きているというこ
とです。学校で習った知識だけで世の中を見ているとここから先は本当に誤解することが多い世の中のように
思えます。ここが本当に未来の分かれ目のように思えるのです。頭と心と腹で自分を見つめ、未来を考え、行
動していかないとどうにも道が開けないときではないかと思います。
藤原直哉 拝