投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 02 日 18:12:31:
世界銀行は1日、9月11日の同時多発テロ事件が世界経済に打撃を与える結果、2002年の世界の貧困人口が約1000万人も増えるとの試算を発表した。貧困人口とは、1日1ドル(120円)以下で生活している人々を指す。5歳未満の子供の死者も来年、2万〜4万人増えることが予想されるという。
世界銀行は、テロによって、先進国の02年の経済成長率が1.0〜1.5%になると予想。当初見通しの2.2%成長から、大幅に下方修正した。
先進国向けの貿易が鈍化する影響で、途上国の成長率も4.3%の当初見通しから、3.5〜3.8%まで低下すると見込む。
貿易面での影響は、すでに保険費用の高騰や、通関手続きの遅れなどの形で表れているという。たとえば、インド向けの主要な航路の運送費は、10〜15%も上昇している。カリブ海諸島への旅行予約の約65%がキャンセルされるなど、観光産業に頼る途上国への影響も甚大だ。
経済成長の改定値は02年半ばまでにテロの影響が薄れ、経済活動が通常の状態に戻るのを前提としている。テロが続発するような事態になれば、途上国の貧困層への影響はさらに深刻なものになる。
ウォルフェンソン世銀総裁は「テロによって、米国内で亡くなった人の国籍は、約80カ国にのぼるが、犠牲はそれだけにとどまらない。途上国、とくにアフリカの人々が、収入の低下によって貧困に追いやられる」と述べ、テロリストを厳しく非難した。(17:36)