原油価格:英グローバル・エネルギー研のL・ドロラス氏に聞く〔毎日新聞〕

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 22 日 21:42:31:

同時多発テロに対する米国の報復攻撃が迫り、原油価格急騰への不安が広がる中、OPEC(石油輸出国機構)は26日の総会で当面の生産枠を決める。アラブの産油国が中心のOPECはどう対応し、原油価格はどうなるのか。英グローバル・エネルギー研究センターのL・ドロラス副理事長に聞いた。
【聞き手、ロンドン福本容子】

――原油は湾岸戦争時のように急騰しますか。

◆そうならないだろう。アフガニスタンやパキスタンは主要産油国ではない。同地域で戦争が起きても、原油への深刻な影響は考えにくい。中東産油国からの供給も、米国がよほど意外な行動に出ない限り、心配しないでいい。逆に、予想されるのは下落だ。テロ事件で世界経済の成長が一層鈍化し、原油需要の激減が懸念されるためで、OPECが参考にしている平均価格は今年第4四半期に(今の24ドル台から)22・4ドルへ、来年第1四半期には21・5ドルまで下がるだろう。

――OPECの目標価格帯(22〜28ドル)の下限を割る?

◆そうだ。しかも注意すべき点は、22ドルは公式の下限で、事実上の下限はこれまで25ドルだったことだ。(最大の産油国の)サウジアラビアが公的債務の利払いを続けるのに必要な収入を確保できる最低ラインだ。

――それを大幅に下回る水準をOPECは容認しますか。

◆そこが試されているのだが、少なくとも年内一杯は(生産カットせずに)価格下落を放置するだろう。多くの人が苦しんでいる時に、カネのことしか考えていないと思われたくない。さらに、安い原油で景気回復を支えて、需要増を促した方が、結果的には得と判断するだろうからだ。

――ただ、増産見送りは失望による急騰を招きませんか。

◆上限の28ドルを超える水準が続くなら、11月にも緊急会議で増産を決めるだろう。だが、値上がりが持続する理由は今のところ見当たらず、年内に生産枠を変更しなければならない事態は起きないと思う。
[毎日新聞9月22日] ( 2001-09-22-19:04 )

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