投稿者 sanetomi 日時 2001 年 9 月 30 日 03:03:43:
生保商品をチェック(2)甘い言葉にだまされないで-手間暇掛けて選ぶ
今回は保険商品の比較方法だ。多くのサラリーマンは新入社員のころ、会社に来た生保レディーに勧められるままに、十分に内容も理解せずに契約に加入している。以前はどの会社の商品も似たり寄ったりで、迷う必要はなかったが、最近は、各社が特色のある新しい商品やサービスを提供し始めており、比較の必要性が増している。
「手間暇惜しまず」
フィナンシャル・プランナーの豊田真弓氏は「生保は保険料の支払い総額がクルマに匹敵する大きな買い物なのだから、ノウハウ本や雑誌を1冊ぐらい読む手間暇は惜しまないでほしい」という。最近はインターネットでもFPがホームページで提供している生保への加入の仕方や用語の基本的な説明を読むこともできる。
ただ、生保商品は、生保の職員でさえ「基礎知識を持っている自分でも雑誌を読んだだけでは商品の良し悪しは選べない」(大手生保職員)というほどわかりにくい。このため、自動車保険のように若干の個人情報を入れると複数の商品の中からニーズに合った商品を探し出してくれるようなサービスはまだない。
「生保レディーでも知らない人が」
しかし、本を読んだだけでも、まだ自信を持って「この商品がいい!」とは言える人は少ないだろう。一通り勉強した後は、各社の営業職員やコールセンターに聞いた方がいいが、畠中氏は「FPと知らずに家に訪ねてきた生保レディーに何気なく質問してみたりするが、基本的なことすら知らない人もいる」。
かといって「外資系の男性営業社員の場合、パソコンなどを使って言葉巧みに契約者を信頼させて、残しておいたほうがいい契約まで全部解約させてしまったような例もあった。信頼し切るのはいけない」として、各生保の営業に頼るべきではないという。
生保の営業職員が他社の商品についてよく知らないことについては、やむを得ない理由もある。保険商品については保険業法によって他社との比較が実質的に禁じられているのだ。
商品が複雑なため、一面的な比較が誤解や他社の中傷になりかねないためと言われているが、他にも複雑な金融商品はたくさんあるのに、このような規制があるのは生保商品だけだ。
郵政省相談センター―簡保の悪い話「聞けません」
むしろ、金融当局には、他社商品との比較を許すと、今の世の中、他社の信用力に対する誹謗中傷になりかねないという懸念があるようだ。このため規制緩和が進むなかでも、この規制は当分変わりそうにない。
しかし、中立的と思われるFPのなかにも、生保の代理店になっている人が多いことにも気をつけなくてはいけない。また、相談料を払ってまでも―― という人も多いかもしれない。
郵政省が全国各地に設けている『暮らしの相談センター』でも、民間生保の契約について相談できるという。ただし、ここでは簡易保険については率直な意見は聞けない。生保商品について客観的な意見を聞くのは、ことほど左様に難しい。
(参考)このシリーズのこれまでの配信は以下の通り
(1)支払い余力を十分吟味-まずは財務の健全性(9月22日)
東京 竹内 カンナ Kanna Takeuchi JK