投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 09 日 16:28:15:
金融庁から早期是正を受けて経営再建中だった宮城県中央信用組合(本店仙台市、我妻正和理事長)は9日、自主再建を断念し、預金保険法に基づき破たん処理を同庁に申請する方針を固めた。担保不動産の下落などで不良債権が増加し、8月末時点で債務超過の状態に陥ったとみられる。
東北では同日、岩手信用組合(本店大船渡市、佐藤一男理事長)も自主再建を断念し、破たん申請の方針を決めた。金融庁は同日中にも両信組の破たんを認定し、金融整理管財人を派遣して破たん処理や受け皿探しを進める。
宮城県中央信組は12日以降も営業を継続する。預金は全額保護される。預金、貸出金の譲渡先は地元信用金庫などを中心に検討される見通しだ。
預金保険法に基づいて破たん処理されるのは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)系の朝銀宮城信組(仙台市)などを除いた地域信組では、東北で初めて。金融庁によると、今年、同庁に破たん処理を申請した金融機関は、全国で信用金庫と信組合わせて20(うち民族系は3組合)ある。
宮城県中央信組は昨年3月期末の自己資本比率が国内基準の4%を下回る3.63%となったため、金融庁から早期是正措置を発動され、出資金の増額などを柱とする経営改善計画を同庁に提出した。出資金の増額運動は、目標の8000万円を上回る1億300万円分を確保し、資本金は今年3月期末で5億7600万円に増えた。
しかし、不良債権処理額が総額4億7000万円に膨らみ、今年3月期末の自己資本比率は2.39%に下がった。同期決算は経常損失が3億5000万円と2期連続の赤字となった。
本年度に入って不良債権は拡大、今年8月末時点で約76億円に膨らみ、債務超過に転落したとみられる。預金残高は10月末で約325億5200万円、貸出金残高は約234億5800万円。
<取引先に申し訳ない/我妻正和理事長の話>
不良債権処理を今後も続ける体力はなく、自主再建を断念せざるを得ない。不況の中で身を切る思いで経営を続ける取引先に、申し訳ない。今後の処理に言及する立場にないが、受け入れが円滑に進むことを願う。
<宮城県中央信用組合>
1953年仙台商工信用組合として青葉区二日町で創立。本店所在地は仙台市宮城野区小田原1の4の31。85年東北信用組合、仙台市場信用組合と合併し、現在の名称になった。88年には仙台食糧信用組合を合併。本店のほか2日町、原町、長町、青葉通、福田町、泉、市場、つつじが岡の8支店。従業員約100人。組合員は2001年3月末時点で個人1万1425人、法人1518。
<信用組合>
1949年施行の中小企業等協同組合法に基づいた組合組織の中小企業金融機関。51年の信用金庫法制定で金融機関的側面の強い組合が信用金庫に改組され、協同組合的色彩が濃い機関が信用組合として残った。信用金庫に比べて組合員以外からの預金、貸出金が厳しく制限されている。監督指導権限は2000年4月、都道府県から金融庁に委任された。