投稿者 sanetomi 日時 2001 年 9 月 20 日 15:07:39:
日本債券(2時):小幅安、財政支出拡大を懸念−10年の需要見極め
東京 9月20日(ブルームバーグ):20日午後の債券相場は小幅安(利回りは上昇)。米同時多発テロをきっかけに世界同時不況への懸念が強まるなか、日本でも財政支出が拡大するとの懸念が広がっている。10年国債の入札結果は事前予想よりやや弱く、投資家の需要を見極める雰囲気が強まっている。
先物中心限月の12月物は前日比5銭安の139円67銭で始まり、いったんは入札に備えたヘッジ売りに押されて139円54銭まで下げたものの、現物市場で買いが入ったことから午前の終値は同3銭安の139円69銭だった。しかし、午後の取引に入ると再び売り注文が膨らみ、1時29分には139円42銭まで値下がりした。
米国で11日に起こったテロの影響から、米景気や企業業績の悪化観測が強まっており、米景気回復を当てにしていた国内経済への影響は相当大きいとみられる。テロ活動への報復措置を含めて、混乱が長期化するとさらなる景気への悪化が見込まれており、市場では小泉政権が国内景気の底割れを回避するために、財政支出を拡大させるといった懸念が強まっている。
農中証券投資戦略室の菊池晃二チーフストラテジストは、「期末要因に加えて、米国で起こった同時多発テロに対する報復行動が秒読みとなっているだけに、長期債購入に慎重なムードが根強い」と言う。
現物市場で10年物の234回債利回りは、19日の終値1.40%を中心に1.390%から1.415%のボックス圏で推移している。10年債入札の実施に伴って、投資家は様子見姿勢を強めており、一部では中期債を売却して、既発の234回債などの10年債に買いを入れる入れ替え取引が見られた。
入札はやや不振
この日の10年債(234回債)の入札はやや不振だった。今回の入札では、最低落札価格が事前予想の中心である100円60銭を下回る100円55銭だったうえ、落札倍率も前回の1.89倍よりさらに低下して1.68倍だった。
UFJキャピタルマーケッツ証券の道家映二シニアストラテジストは、すでに投資家の買い需要が既発の234回債に向いてしまったと指摘したうえで、「結果の発表後に安いところでは買いも入ったが、入札が予想以上に不振だったことから相場の下振れリスクが強まった」と指摘している。
財務省が20日に実施した10年国債(234回債、10月発行)の価格競争入札で、平均落札価格は100円60銭(利回りは1.332%)、最低落札価格は100円 55銭(利回りは1.337%)だった。
応募額は1兆6841億円、募入決定額は1兆51億3000万円。募入決定額に対する応募額の割合を示す落札倍率は1.68倍となり、前回9月債の1.89倍をやや下回った。割り当てを受ける最低価格における案分比率は54.9622%だった。
先物12月物は前日比22銭安の139円50銭(利回りは1.469%に上昇)。売買高は2兆7599億円。新発234回債の利回りは同0.005ポイント低い1.405%(価格は99円95銭に下落、複利利回りは1.405%)。日経平均株価は前日比159 円67銭安の9779円93銭。為替相場は午後2時15分現在1ドル=117円60銭で取引されている。