投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 19 日 19:59:59:
大手スーパーのマイカル<8269>が東京地裁に民事再生法を申請した14日、金融界に衝撃が走った。メーンバンクの第一勧業銀行をはじめ、自らの融資が回収不能となる銀行が多く、突然の破たんは銀行にとって死活問題。しかし、金融界動揺の根源は別のところにあった。政府与党関係者がこのところ頻繁に口にする問題企業の数が、「20」と「30」で大きな違いがあるためだ。マイカルの倒産で不良債権処理加速に現実味が増したものの「1社減ったのは事実だが、あと19社か29社では今後の経営戦略に重大な違いが出てくる」(都銀筋)ことになる。
●リストを獲得せよ
「加藤議員が言う“30社”の社名入りリストを獲得せよ」―。マイカルの破たんが伝わった14日、都銀の企画部門幹部が若手行員にゲキを飛ばした。加藤議員とは、加藤紘一元自民党幹事長。同氏は9月初旬、地元山形での講演で、不良債権処理の加速が必要との持論を展開。この中で問題企業が30社あると指摘した。同氏の発言を朝日新聞が伝え、一部市場関係者や金融界に「加藤ショック」が伝わった。
マイカルが破たんした直後にも同氏は従来の主張を繰り返し、この中でまたも「30社」と強調した。実際に大手企業の破たんが現実化した直後だっただけに、リスト獲得合戦が熱を帯びだしたのだ。
●20は「違和感のない数字」
13日、自民党の堀内光雄総務会長が“延命装置付き”として指摘した問題企業の数は20だった。この数字が表立って報じられたケースが少なく、かつマイカル破たんの前日に報じられたことから、14日には株式市場が不良債権処理の本格化を先取りする形で急伸した。しかし「20社と言われれば、金融界に身を置く人間ならばすぐに挙げられる」(銀行系証券)。
すなわち、マイカルなどの流通や、建設、不動産などで巨額の有利子負債を抱える企業をピックアップすれば、「誰でも20社程度は思い浮かぶ」(欧州系運用会社幹部)のである。しかし、「30社となると、問題企業の2番手グループまでもが対象となり得る」(大手都銀)ため、“どこまでがひっかかるか”を巡ってリスト獲得競争が過熱している。
●銀行株買い戻しの「まい進」は禁物
マイカルの破たん報道を受け、14日の東京株式市場では大手銀行株への買い戻しが加速した。「問題企業整理―不良債権処理の進展―銀行の収益改善」という連想が働いたからだ。銀行株をショートにしていたヘッジファンドが一斉にポジションを反転させたほか、内外機関投資家など大口の新規資金も一部で流入を始めたもようだ。
ただ、問題企業の処理に金融界が右往左往し、自身が20なのか、30なのかと問題企業の数をとらえきれていない中では、「一辺倒の銀行株買い戻しは危険」(大手銀関係者)といえそう。「仮に30という数字が本物ならば、問題企業の整理がかさむ一部の銀行では、銀行そのものの経営が立ち行かなくなる場合も想定される」(同)からだ。
マイカル破たんを契機に、株式市場は不良債権処理という“前向き”材料湧いているが、その前に、問題企業の「数当て」という難題をこなすことが先決となっている。
○URL
・マイカル
http://www.mycal.co.jp/
・マイカル破たんで本格化する「延命装置外し」
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200109/17/20010917110503_49.shtml
[相場英雄 2001/09/19 14:39]