投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 18 日 21:55:46:
日本銀行は18日、政策委員会・金融政策決定会合を開き、公定歩合(現行年0・25%)を0・15%引き下げ、年0・10%の史上最低水準に引き下げることを賛成多数で決めた。19日から実施する。
また、金融機関が日銀に保有する当座預金の残高目標を現行の「6兆円程度」から「6兆円を上回る」水準へ引き上げ、市場へ資金を一段と供給する量的緩和の拡大を実施することも決めた。アメリカの同時多発テロを受け、米欧が前日に緊急利下げを決めたことを受け、「国際的な協調の必要性を考慮」(速水優・日銀総裁)して踏み切ったものだ。日銀の金融緩和は今年に入って5回目で、8月に続いて2か月連続となる。
公定歩合は、金融機関の求めに応じて日銀が資金を貸し出す「ロンバート型貸出制度」の適用金利になっているため、利下げによって、資金繰りに窮した金融機関の資金調達を容易にする。また、それにより、金融市場の安心感を高める効果が期待できる。
さらに、ロンバート型貸出制度を用いた貸出の期間を、これまで1か月で5営業日までだったのを10営業日に延長する措置を、今月16日から10月15日に限って実施することも併せて決定した。
決定会合は、当初18、19日の2日間に予定されていたが、米国のテロ事件を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)が17日に相次いで緊急利下げしたことから、日本も前倒しで利下げを実施して世界同時不況を阻止する姿勢を示した。
18日午後に始まった決定会合の冒頭で、議長の速水優総裁が「会合は2日間の日程だが、本日中に議事を終了したい」と日程短縮を提案した。
政策決定後の記者会見で、速水総裁は「FRB、ECBが一斉に下げたので早く対応すべきだと考えた」と説明した。
日銀が前倒しで追加の金融緩和に踏み切ったのは、同時多発テロ事件による世界経済の混乱を背景に、日本では日経平均株価(225種)が1万円割れしたほか、取引停止が再開されたニューヨーク株式市場でも、ダウ平均株価(工業株30種)の終値が、2年9か月ぶりに9000ドル台を割り込むなど、世界的な同時株安が進行しているためだ。
日銀は、テロ事件発生以来、市場に潤沢な資金を供給しており、現在の当座預金残高は8兆円以上の水準に達している。
(9月18日21:44)