投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 13 日 21:45:50:
東京債券市場で長期金利がじわじわと上昇(価格は下落)している。米国の同時多発テロのような事件が起きると、通常、資金が株などから安全な国債に向かい、中短期の金利とともに長期金利も下落する。欧州の多くの国では事件後、金利は「教科書通り」に下落したが、日本は逆。株安で補正予算編成を求める声が高まり、国債増発につながる懸念が強まっているためとみられ、市場では長期金利上昇への警戒感が広がっている。
東京債券市場ではテロ事件後、長期金利の指標になる10年物国債の金利が一時、1・38%まで下落したが、12日の終値は1・43%。13日も1・445%に上昇した。11日の欧州の長期金利(10年)はドイツが0・07ポイント下落したほか、イギリスも0・05ポイント下落した。
日本では、テロによる混乱で米経済が悪化して日本の景気回復も遅れるとの見通しから、新規国債の発行額を30兆円の枠に抑える、という小泉政権の公約が守れなくなり、財政規律が破たんするとの懸念がある。
外資系証券会社のアナリストは「海外のテロで、国内の公共投資を増やすための補正予算編成を求める議論が起きるのは、日本ぐらい。日本は経済が政治に頼りすぎ」と指摘している。
10年物国債は20日に1兆7000億円の入札が予定され、市場では表面利率が今年度発行としては最も高い1・5%を予測する声もある。
長期国債の金利上昇については、日銀の三木利夫審議委員が同日の講演で「国債市場が暴落した場合は、国債が第二の不良債権になりかねない」と懸念を表明した。【鬼木浩文】
[毎日新聞9月13日] ( 2001-09-13-20:25 )
このページの感想 |