投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 12 日 20:40:15:
米国で起きた同時多発テロの影響で日経平均株価が1万円を割りこみ、大手銀行の保有する株式の含み損が急拡大している。大和総研の試算によると、大手15行の含み損は12日現在、5兆2758億円に上っている。9月中間期から、銀行が保有する株式の時価が簿価を5割以上下回ったら、強制的な償却(強制評価減)を求められることなどから、金融システムに深刻な影響が出かねない。市場からは「テロという特殊要因で下がっており、強制評価減を適用する必要はない」(大和総研の高井晃シニアアナリスト)と適用見送り論が浮上している。
株の含み損は、01年3月末の3277億円に比べると、4兆9481億円も増えた計算になる。日経平均株価の1万円割れで5兆円を超える含み損を抱えたまま、強制評価減が実施された場合、一部の銀行は赤字に陥る可能性もあり、不良債権処理の原資は完全に枯渇することになる。
さらに、時価会計導入で、含み損の6割が剰余金(資本の一部)から差し引かれると、国が保有している優先株への配当ができなくなる可能性も強まり、銀行への打撃は厳しいものになる。
強制評価減は、特殊な要因による下落の場合は適用を見送ることが可能という。しかし、適用を見送った場合、市場が銀行に対して、厳しい見方を強める可能性もあり、金融当局の判断が注目される。 【鬼木浩文】
[毎日新聞9月12日] ( 2001-09-12-20:03 )
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