投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 03 日 01:04:56:
公的資金の注入を受けている全国の銀行22行のうち16行が2日、新しい経営健全化計画(05年3月期までの4カ年)を発表した。このうち大手の5行はいずれも今後2年間の当期利益をこれまでの計画より下方修正した。経済情勢が急速に悪化したのに加え、不良債権の最終処理を進めるという政府の方針で不良債権の処理損失額が約4000億円増えるためだ。
5行は一方で新たな収益増強策を提示。04年3月期と05年3月期は当期利益を大幅に増やせるとしている。だが、増強策には具体性に乏しいものもあり、大手行でも公的資金の返済が遅れたり、公的資金注入と引き換えに国に引き受けてもらった優先株の配当の支払いが出来なくなったりする可能性がある。
大手行のうち今後2年間の計画を下方修正したのは、銀行持ち株会社形態のみずほホールディングスと、大和、あさひ、住友信託、中央三井信託の各行。従来の計画の前提とした経済情勢の見通しがはずれたことが大きい。例えばみずほホールディングスは02年度まで、日経平均株価が00年3月末と同じ2万337円で推移すると想定していた。あさひのように、旧計画で示した他行との統合が実現せず、収益力の向上を達成できない銀行もあった。
さらに政府・与党が不良債権の最終処理を促す方針を4月に決定。査定を厳しくした結果、02年3月期の不良債権の処理損失額が5月の発表時点と比べ、5行で3870億円も増え、計1兆1650億円となる。その後は減少傾向となり、03年3月期は計7080億円、05年3月期は計3500億円と見込んでいる。
経営健全化計画は、国から公的資金の注入を受けた銀行が、資金返済の確実性を示すために策定する。2年に1度見直すことになっており、昨年までに注入を受けた銀行は今回、見直しの対象となった。ただし、UFJホールディングスと三井住友銀行は統合時に05年3月期までの計画を提出しており、今回は対象外。(00:56)