投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 03 日 00:28:22:
日銀の速水総裁は、現在の景気はかなり厳しい状況にあるとの認識を示した。NHKの番組の中で述べたもの。
速水総裁は、「現在の景気は、かなり厳しい状況にあると言って良い。せっかく良くなりかかったのに足を引っ張られたような格好で1月から悪くなり、米国に追随しながら金融政策も緩めていった。3月に思い切った量的緩和に切り替えて下支えしてきた」と述べた。
ゼロ金利政策の解除に関して速水総裁は、「99年2月のゼロ金利導入時から景気は良くなり、普通に戻ってきたので、ゼロ金利を戻した。タイミングが少し遅かったくらいだと思っている」と語った。
そのうえで、「年末から米国の急速な景気減速が起こり、日本にも響いてくる。1月、2月と金利を下げ、3月になってこのままでは済まないと思い、金利ではなく、量で緩和することにした。これは、先を見越した随分と思いきった政策だった」と述べた。
量的緩和の効果について速水総裁は、「効果は非常に出ている。しかし、肝心の企業の資金需要が弱く、実態経済を持ち上げるに至っていない」と述べた。
速水総裁は、95−2000年の5年間でマネーサプライが3.3%伸びたにもかかわらず、銀行貸出が0.4%のマイナスだったことを指摘し、「いくら資金を供給しても、GDP(国内総生産)は上がってこない。上げるためには、構造改革をして、新しいことを始め、競争にならないものは止めていかないといけない」と述べ、あらためて構造改革の必要性を強調した。
政府からの金融緩和要請に関して速水総裁は、「内外の中央銀行では例を見ないような思い切った政策を、先を見越して取っている。現在の政策で狙っているのは、前向きの経済活動を後押しし、金融市場が構造改革で荒れた時には日銀が出て行って、波が立たないようにして構造改革を進めて行くこと。構造改革を最大限度支援していきたいという気持ちでこの政策を作った」と述べた。
さらに速水総裁は、「構造改革は、ひとりひとりがどう捉え、どう行動するかを決めて初めて動き出す。その時に景気が良くなってくる。心がそういう方向に向かって、雰囲気が変わってくれば、景気は良くなってくる」と述べた。
春先に速水総裁の辞任観測が出たことに関しては、「今は難局の時。せいぜい、微力を尽くしたい」と述べ、辞任観測を否定した。