こんどはスタンダード&プアーズが日本国債を『ネガティブ』へ!

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 11 日 17:10:21:

▼S&P、日本国債格付け見通しを「ネガティブ」に〔日本経済新聞〕

スタンダード&プアーズ(S&P)は11日、日本の国債など長期ソブリン格付けに対するアウトルックを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に変更したと発表した。同時に長期・短期ソブリン格付けは据え置いた。
アウトルックの変更は「マクロ経済政策が有効性を欠くなかで、タイムリーな構造改革への見通しが弱まっていることによる」としている。さらにS&Pは、「民間部門では、破たん企業の清算、その株式、債務の処分と、残る生産資産の売却などが改革の課題である。構造改革なくしては、信用力を評価するうえでの(財政の柔軟性に欠けるなど)3つの重要な問題点が一層深刻化し、日本の信用力が現行の『AA+』の水準を充足しなくなる可能性がある」と指摘している。また、S&Pは同日、国際協力銀行の長期(AA+)・短期(A−1+)カウンターパーティ格付け、及び無担保優先債(AA+)のアウトルックも従来の「安定的」から「ネガティブ」に変更したと発表した。

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S&Pのプレスリリース

日本の格付けを据え置き、アウトルックは「ネガティブ」に変更
アナリスト: 小川隆平、シンガポール 電話(65) 239-6342


据え置き
AA+ 長期ソブリン格付け
A-1+ 短期ソブリン格付け
アウトルック変更
今回 前回
ネガティブ 安定的

スタンダード&プアーズは、本日、日本の長期ソブリン格付けに対するアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。同時に、長期および短期ソブリン格付けを据え置いた。
アウトルックの変更は、マクロ経済政策が有効性を欠くなかで、タイムリーな構造改革への見通しが弱まっていることによるものである。民間部門では、破綻企業の清算、その株式、債務の処分と、残る生産資産の売却などが改革の課題である。構造改革なくしては、信用力を評価する上での後述の3つの重要な問題点が一層深刻化し、日本の信用力が現行の「AA+」の水準を充足しなくなる可能性がある。重要な問題点とは、以下の3点である。
限定的な財政の柔軟性。国内外の経済環境が悪化するなかで、日本にとっては公的部門の債務負担の増加に歯止めをかけるという課題が一層深刻になる。小泉政権は、公的、民間の両部門の改革を実施する意向であるが、詳細は漠然としており進展も遅い。一般政府財政赤字は1999年度に国内総生産(GDP)の9%と推定されるが、たとえ政府が2002年度の新規発行国債を30兆円以下に抑え、有効性の乏しいインフラ整備関連の公共事業からその他の事業に歳出の方向転換を図れたとしても、今後数年間の一般政府赤字はGDP比8%程度で推移するものとみられる。財政刺激策の早急な削減は、現在の景気減速をさらに悪化させる可能性があるため、財政再建は緩やかなものにとどまるであろう。世界的な経済成長の短期的見通しが弱く、構造改革の速度も遅いことから、スタンダード&プアーズは、日本の対GDP比一般政府赤字(総額ベース)が2005年にピークに達する際の予測値を、これまでの165%から175%に引き上げた。
長引く金融機関の諸問題。銀行による問題貸出の実際の金額に関する情報開示、および不良債権の処理の遅延が繰り返されたことが、公共部門に負担となっている。過去の不良債権と低い業務純益により、金融制度は貯蓄や投資を効果的に仲介することができないものとなっており、今後数年間は、日本がその潜在成長率である2%の実質成長率を達成するための役割を果たさないだろう。
有効性を欠く金融政策。日本銀行のデフレ対策は後手に回っているうえに有効性に欠け、日本の流動性の問題をさらに深刻化させるおそれがある。名目上の経済規模縮小が続けば、一般の景況感を悪化させ、政治家の対応が無力化し、政府の債務負担が増加するという悪循環に陥る危険が高まっている。こうした悪循環は、より早急な構造改革と、より積極的な金融刺激策によって回避する必要がある。
日本の長期格付けは「AA+」と引き続き高水準にあるが、これを支えているのは以下の要因である。

1兆ドルを超える非常に多額の対外純資産と堅固な対外流動性。日本は絶対額で世界最大の対外純資産国であり、日本銀行の金および外貨準備は3,800億ドルを超え、各国中央銀行の中で最大である。過去一貫した経常黒字が対外純資産の伸びをさらに強化し、2001年には輸出のほぼ125%と予想される。しかし、スタンダード&プアーズは、インデックス運用を行っている非居住者の債券投資家が日本の国債発行残高の世界市場に占める比率の増加に伴い、日本の債券市場に対する投資額を高める可能性が高く、これに従い、日本の純債権国としての地位は低下すると考えている。
円が世界の基軸通貨のひとつであること。日本円は世界第三の基軸通貨として広く利用されており、日本政府は資本市場へのアクセスを確保している。
多様性に富み、豊かな経済。日本の熟練した労働者、エレクトロニクス、自動車、バイオロジー産業の部門における世界の主導的地位、民間部門での高い貯蓄率は維持されている。

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