投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 11 日 17:03:34:
ここにきましての日本の株式市場の下落は、生保の経営に、甚大な影響を与えています。
【小泉恐慌】も想定される今、下位の生保業界は、あらぬ合併説を顧客に話し、安心感を与えようとする生保もあります。
もう、ここまでくれば、最後の”あがき”としか言えません。
ぼろぼろになって、破綻する生保が続出する可能性もあり、また、一度破綻して外資の傘下に入った生保も、解約の急増もあり、経営的に厳しい状況となっているところもあります。
生保の解約を検討されている方は、即刻、動かれることをお奨めします。
既に、時間的に間に合わない可能性もありますが・・・。
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■□■報 道■□■
東京株式市場の平均株価が1万円の大台割れ目前となる中、“生保不安”の懸念が再び台頭してきた。
大台割れとなれば、大手・中堅生命保険会社10社のうち日本生命、太陽生命を除く8社で、虎の子である株式の含み益が底をつき、含み損に転落する。
含み損は“ソルベンシーマージン(支払い余力)比率の低下”と“逆ザヤの拡大”というダブルパンチで生保の経営を直撃する。
金融庁も生保各社に対する財務内容の調査に乗り出すなど、警戒を強めている。
大手・中堅10社は6月に発表した平成14年3月期決算の中で、株式含み益がゼロとなる平均株価水準を公表している。
それによると、1万円割れでも含み益を確保できるのは日本生命(8600円)と太陽生命(9970円)の2社だけ。
平均株価が1万2999円だった今年3月末時点ですでに2社が含み損に転落。
今月3日に平均株価が1万500円を割り込んだ時点で、残り6社も含み益ゼロか含み損に転落したとみられている。
生保にとって株式の含み益は二重の意味で虎の子になっている。
まず、生保の健全性を示す指標であるソルベンシーマージン比率の構成要因となっており、含み益の目減りや含み損への転落は、同比率の低下を招く。
同比率が200%を割り込むと、金融庁による業務改善命令発動の対象となり、事実上の破たん状態となる。
大手・中堅各社はいずれも400%以上を確保。
「1万円割れでも200%を割り込むことはない」としている。
ただ、これまでの破たんした生保もすべて公表ベースでは200%以上を確保していたにもかかわらず、400%前後で信用不安が高まり、解約ラッシュに見舞われ、破たんに追い込まれた。
このため、「最低でも500%以上が不可欠」(大手生保幹部)といわれており、含み損転落による同比率の低下が信用不安を招く懸念は否定できない。
一方、生保各社は契約者から預かった資金の運用利回りが、契約者に約束した利回り(予定利率)を下回るという“逆ザヤ”も経営を大きく圧迫している。
これまでの破たんも、逆ザヤによる体力低下が最大の要因だった。
株式の含み益は、この逆ザヤによる赤字を穴埋めするための原資となっている。
各社は保有株式の売却益によって赤字を穴埋めし何とか契約者に配当し、決算を乗り切ってきた。
トータルで含み損に転落しても、個別銘柄では含み益が残っており売却益を捻出するのは可能だが、「これまでの穴埋めで、すでに含み益のある銘柄はほとんどない」(業界筋)との見方もあり、逆ザヤによる赤字穴埋めは極めて困難な情勢となっている。
こうした事態を受け、金融庁は株安が生保の経営に与える影響について調査に乗り出した。
金融当局筋によると、「平均株価が1万3000円から1000円下落するごとに、含み損益とソルベンシーマージン比率がどうなるか、試算して提出するように要求している」という。
試算は平均株価が8000円まで暴落した場合まで想定しており、金融当局がいかに株価下落と生保経営に危機感を持っているかをうかがわせている。
政府は経営破たんずる前に、契約者に約束した予定利率を引き下げ、逆ザヤ額を減らす“生保救済策”の導入を検討していたが、「破たん前の引き下げは、かえって生保離れを加速させる」との理由で、見送りの方向となっている。
ただ、依然、新規契約の減少と中途解約の増加傾向が続いており、生保を取り巻く経営環境は悪化の一途をたどっている。
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