インフレターゲティングは「銀行株」売りに直結の可能性(PAXNET)

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 10 日 20:26:56:

財政政策の行き詰まりが鮮明になる中、政府・与党関係者の間から、日銀にインフレターゲティングの導入を迫る議論が活発化している。デフレに歯止めをかけるため、物価上昇を意図的に演出しようとの試みだ。一旦物価が上昇し始めるとコントロールが効かなくなるとして、日銀は政府・与党サイドの要求に徹底抗戦の姿勢を示しているのは周知の事実。
しかし株価の下落に歯止めがかからず、景気も悪化の一途をたどる中、9月の日銀金融政策決定会合を前にインフレ政策の導入が再び過熱するのは明白。この議論を見越したかのように、株式市場でもある思惑が動きだしている。

●JGBバブルは大丈夫か?

8月14日、日銀が意外感のある追加金融緩和措置を打ち出したあと、日本国債(JGB)相場が急伸した。これを横目に、ある外資系証券の株式ディーラーが「JGBは完全にバブルだ。なぜ上がるのか」とつぶやいた。国債は株式よりも自己資本比率上のリスク・ウエートが低く、銀行など機関投資家が買いに必然的に向かう、という前提条件はこのディーラーは百も承知。
このディーラーが心配するのは、「日銀がまたも政治圧力に屈服して緩和を決めたことは、あとはずるずると“何でもあり”に移行するリスクが極端に高まることを意味する」と判断したからだ。「何でもあり」の筆頭格と株式市場関係者が予想するのが、インフレターゲティングの導入だ。

●バブル崩壊の兆しで・・・

実際、債券市場でもJGBバブル崩壊を予想する声が上がっているようだ。「既に高値恐怖感に陥っている投資家が多く、誰かが逃げようと(売りに出ようと)する気配が出れば、売りが殺到するのは間違いない」(銀行系証券)。このきっかけになるのが、インフレターゲティング議論との声も多い。つまり、政府・日銀が金利を意図的に上げようとすれば、「キャピタル・ロスを避けようと、誰よりも先に売りを出したいと考えるのは必然」(同)だからだ。
大手シンクタンクの試算によれば、平均株価が1万円を割り込むと、大手16行の株式含み損は約4兆6000億円に達する。「大手行1行で当たり前のように1〜2兆円規模のJGBのポートフォリオがあることを考えれば、債券バブル崩壊で生じる含み損は、株式とはケタが違ってくる」(米系投資信託)ことは間違いない。

●投機筋がリサーチ開始

インフレターゲティング論争の過熱と、これに伴って生じるであろう副作用を、機を見るに敏な海外投機筋が見逃すはずがない。「インフレターゲティング導入の見込みは何割程度あるのか」、「個別銀行ごとの債券保有状況とその損益分岐点はどこか」などのリサーチ・リポートの依頼が「顧客であるヘッジファンドから増えているのは事実」(米系証券)ともいう。債券の含み損が表面化すれば、体力の弱った銀行株を集中的に売ろうという戦略が透けてみえる。
ある日銀中堅幹部は、「インフレターゲティング導入が決まれば、銀行の債券ポートフォリオが壊滅的なダメージを受けるのは確実」と警鐘を鳴らす。インフレターゲティングの導入は、「将来のコントロールがどうこうという前に、足元でもとてつもなく大きなリスクを含んでいる」(先の銀行系証券)のだ。
○URL
・日銀
http://www.boj.or.jp/
[相場英雄 2001/09/10 13:29]

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