投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 10 日 16:04:22:
今回のGDP統計の件につき、詳しい解説の報道がありましたので、お送りします。
*******
■□■ 報 道 ■□■
内閣府が7日発表した今年4−6月期の国内総生産(GDP)は前期比0.8%減、年率換算で3.2%減の大幅なマイナス成長となった。
マイナス転落は昨年7−9月期以来3・4半期ぶり。
ITバブル崩壊の直撃を受け、企業の設備投資が大幅に落ち込んだことが主因だ。
企業のリストラも加速する中、個人消費の冷え込みも加速しており、GDPの2本柱である消費と投資が回復に向かうメドはまったく見えてこない。
日本経済は再び大不況に突入したようだ。
4−6月期のGDPの中身をみると、その6割近くを占める個人消費は前期比0.5%増、企業の設備投資は同2.8%減。
内需と外需の寄与度は内需がマイナス0.7%、外需はマイナス0.1%となった。
「ITバブルの崩壊とそれに伴う米国経済の失速でハイテク企業を中心に対米輸出が減少、生産が落ち込み、設備投資を抑制する動きが拡大。輸出、生産の落ち込みは企業収益の悪化を招き、賃金カットや人員削減によるリストラが
進み、所得と雇用が悪化、消費が冷え込んだ」(鹿野達史・三和総合研究所主任研究員)というのが、大幅マイナス成長の構図である。
そして、日本経済の悪化は4−6月以降、新たな段階に突入した。
7月の完全失業率が5%を記録したが、7月以降、大手電機メーカーが相次いで人員削減を発表するなど人員削減の動きは一段と広がっている。
冬のボーナスの大幅カットも必至。
リストラの加速によって、「消費が一段と冷え込み、企業の業績悪化に拍車がかかり、それがさらにリストラを加速させ、消費が冷え込むという悪循環に陥っている」(鹿野氏)。
米国経済の回復を当て込んだ日本の景気回復シナリオも完全に狂った。
米政府当局は「年末に底を打ち、年明け以降回復に向かう」(オニール財務長官)と予想するが、「株価下落による逆資産効果が減税効果を打ち消し、消費が冷え込む可能性がある。
そうなれば、米国経済の回復はさらに遅れ、世界同時不況に陥る」(櫨浩一・ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト)と疑問視する声が圧倒的だ。
今後、焦点となる補正予算の編成や一段の金融緩和など景気対策も、その効果は期待できそうにない。
補正予算では小泉首相がこだわった今年度の国債発行額30兆円以内の“公約”がほごにされるのは確実な情勢だが、「構造改革の挫折と受け止められ、外国人投資家の日本株売りで株価下落が加速しかねない」(外資系証券)。
金融緩和では日銀による国債の買い上げの増額や直接引き受けが俎上に上っているが、構造改革が挫折したことと合わせ、国債の大量発行につながる可能性が大きい。
その結果、「国債の需給バランスが崩れ、価格が暴落、長期金利が急上昇し、企業収益や家計を直撃する」(大手銀行調査部)という最悪の事態を招きかねない。
ドロ沼不況が長期化する恐れが日増しに高まっているのだ。
このページの感想 |