特別解説:日本のIMF審査受け入れについて(NevadaEconomicReport2001/09/09)

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 09 日 11:13:02:

今回のIMF審査受け入れについて、私なりの解説をさせて頂きます。
私は今回のワシントンでの柳沢長官の審査受け入れ表明は、出来レース、即ち、はじめから“受け入れ”との結論があり、イギリス・米国訪問は、単なるジェスチャーだと思っています。
既に、IMFは、この春から日本の金融事情を精査しており、個別金融機関の不良債権額についても、特殊法人の不良債権額についても、ほぼ完全に近い額を掴んでいます。
因みに、この額は、先に金融庁が公表しました<金融機関が抱える不良債権額(予想額も含め)150兆円>及び”市場”の推計である、<特殊法人が抱える不良債権額180兆円>。
この2つの数字は、ワシントンのIMF関係者も、掴んでいる数字だからです。
また、この数字は、今年3月末のものであり、現時点では更に悪化し、180兆円+150兆円=330兆円 を、大幅に上回っている、と思っています。
場合によっては、400兆円に迫るかもしれません。
更に、格下げへ決定されました<日本国債>の発行残高は、地方債も入れれば、666兆円を超えています。
現時点で処理しなくはいけない額は、これだけで、1,000兆円を超えてしまいます。
さて、この1,000兆円という数字を、頭に入れて頂いた上で、これからの内容をお読み頂きたいと思います。
今回のIMF審査受け入れ表明の前に、小泉総理は、このように述べています。
これは、非常に重要な発言です。
<日本の税収は50兆円ほどしかないのだから、今の85兆円を超える予算は異常なんです>
これは、IMF担当官が述べたものではありません。
日本の最高責任者が述べた言葉なのです。
更に、【 IMFプログラムを受け入れる 】
これは、今回ワシントンでの柳沢長官の記者会見の際、この言葉が飛び出しました。
この小泉総理の発言と、【IMFプログラム】は、実は、意味は、全く同じ事なのです。
ここで、【IMFプログラム】について、ご説明させて頂きます。
*このプログラムには、色々ありますが、新聞等では、金融問題に限ったプログラムと、 想定問答集通りの解説記事を掲載しています。
この【IMFプログラム】では、小泉総理が述べたかった、“バランス・バジェット(収支均衡)”が最も重要視されます。
では、具体的にはどうなるでしょうか?
日本は50兆円しか収入はありません。
ところが、85兆円も使っており、毎年30兆円以上の借金を膨らましていっています。
【IMF管理下】に入れば、この<借金>は、一切認められなくなります。
結果、50兆円で予算を組まなくてはならないのです。
これを実現するには、物凄い困難を伴い、いわば、屈辱的な状態に、日本はおかれます。
以下の事態が考えられます。

1)公務員の総数・給料は、30%以上カット及び、ボーナスは、例外なく全てカット
2)公務員の退職金は、一切認めない >> 100%カット
3)年金は、一律30%以上カット
4)国債の利払いは、5〜10年間停止 >>事実上の紙くずへ
5)消費税を、15%引き上げ20%へ >> 益税等の優遇税制は廃止
6)課税最低限を引き下げ、年収100万円以上から、徴税を行う
7)資産税を導入し、不動産に対しては、公示価格の5%を課税。債券・社債については、5〜15%の課税。株式については、時価を正確に計算出来ないために、取得金額に対して、1%課税。
8)預金については、来年4月を待たずに、一律、ペイオフを実施するとともに、第2段階として預金を30〜40%カットする。

*この場合、最悪の場合は、2,000万円の預金は、1,000万円のみ保護の対象にされ、ここから、更に30〜40%カットになりますから、実質的には、預金は600〜700万円に減価してしまいます。更に、預金保険機構には、積み立てておくべきお金は、すでに、使って残っていません。
それどころか、金融機関から<借金>をしている有様ですから、上記の600〜700万円もいくら保護すると言いましても、全く絵に描いた餅なのです。事実上、意味を持たない、保護と言えます。

ここで、お分かり頂けますが、預金は、事実上、全てがカットになると思って、間違いはないと思っています。 
日銀統計では、国民は740兆円ほどの現預金を持っています。
実際は、定期預金担保等で借り入れている部分等もありますから、実際の現預金は600兆円もないのではないかと思っています。
この600兆円を使っても、日本が抱えています負債<1,000兆円>のうち、60%しか消せないのです。
今後、日本は、本当に厳しい状況に追い込まれることになりますので、日本で蔓延しています<楽観論>には、くれぐれも、くみされませぬように。
9月15日号では、【IMF管理下】に入った場合、実生活面でどのようになるか、特集を組んで、解説させて頂きます。
<2010年の日本>(1999年12月1日号)の修正版になります。
タイトルは、<2002年の日本>

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